☆消えた校名 ～伏見工業～

 ｢ピッ！ ノックオン、スクラム、京都工学院 ボール｣

京都工学院と聞いて、旧・伏見工業だと分かる人はどのくらいいるのだろうか？

伏見工業は京都市立高校の再編に伴い、2016年(平成28年)4月に洛陽工業と統合され京都工学院として、立命館中学・高校が移転した跡地(京都市伏見区)に開校された。

伏見工業ラグビー部は1959年(昭和34年)に創部され、花園では優勝4回、通算成績は52勝16敗(勝利数全国13位)、選抜では優勝1回、通算成績は17勝6敗(勝利数全国16位)を誇る。

1974年(昭和49年)、伏見工業ラグビー部の監督に山口良治氏が就任した。当初は京都一を目指して意気込む山口氏に部員達が反発し、練習試合をボイコットした。しかし、1975年(昭和51年)5月17日の京都府春季総合体育大会で京都の名門・花園高校に 112 - 0 と大敗を喫し、その悔しさから部員達は努力を重ね、同年の近畿大会で準優勝を果たした。

以後、山口氏の率いる伏見工業ラグビー部は常勝軍団に生まれ変わり、1980年度(昭和55年度)には悲願の全国制覇を成し遂げた。
公立高校で無名という決して恵まれてはいない環境からの全国制覇と、ラグビー部員への体当たりの指導が多くの反響を呼び、1984年(昭和59年)のTBS系テレビドラマ『スクール☆ウォーズ』の主人公・滝沢賢治のモデルにもなった。

この京都工学院が、23日、奈良県天理市の天理親里ラグビー場で行われた第73回近畿高校ラグビー大会2回戦、大阪桐蔭と 24 - 24 で引き分け、抽選の結果、伏見工業時代以来6年ぶり、現校名では初となる選抜大会(埼玉・熊谷ラグビー場)出場を決めた。

京都工学院は7点を追う試合終了間際、トライとＧＫで同点とした瞬間にノーサイドの笛が鳴り、抽選で出場権を獲得した。

京都工学院の花園復活にも期待したい。

(選抜大会には京都工学院、修猷館、長崎北陽台が出場、熊谷に行きたい！)

以上です。