☆予選皆勤校 2022夏 ～市岡高校～

全国大会での優勝を「全国制覇」と表現することもあるが、春夏通じて「優勝経験を持ち、かつ他県から全て勝利」している県を「全国完全制覇」と定義したい。この全国完全制覇を成し遂げているのは、大阪と広島である。大阪においては、自県を含む全都道府県、さらには朝鮮、満州、台湾からも勝利を挙げているのだ。
その大阪勢として初の全国大会出場を果たし、大阪勢として初勝利を挙げたのが市岡高校である。大阪の高校野球史の扉を開いたのが、市岡高校なのである。

大阪府立市岡高校は大阪市港区に所在し、1901年(明治34年)に大阪府第七中学校として創立され、大阪府内の旧制中学としては北野、三国丘、八尾、茨木、天王寺、岸和田に次ぐ歴史を有し、大阪市内の旧制中学としては北野、天王寺に次いで三番目の創立である。
野球部は1906年(明治39年)に創部され、大阪府内では北野、天王寺、岸和田、三国丘、桃山学院、明星に次ぎ、四条畷と並ぶ歴史を有する。
夏の全国大会予選には、大商学園、都島工業、明星、八尾とともに、1915年(大正4年)の記念すべき第1回大会予選(関西大会)に初参加した。
結果は、耐久中(耐久)に 4 - 2 で勝利し、予選初勝利を挙げた。

市岡といえば、他校の帽子とは明らかに一線を画した形状の三本線に伝統と風格を感じる。
1916年(大正5年)の第2回全国中等學校優勝野球大会出場を機に、それまでの二本線から、大阪市内で三番目にできた旧制中学校を示す三本線に変更されたという。着用は公式戦、他府県の高校との試合、府内での定期戦(港、天王寺、北野、八尾、明星)に限られるという。

市岡高校は第1回夏の予選に参加して以降、現在まで一度も欠かすことなく予選に参加し続けている、夏の予選皆勤校である。
昨年までの夏の予選通算成績は204勝93敗2分である。

今年の夏、市岡は4回戦で電通大高と対戦、 0 - 2 で敗退となった。

予選皆勤15校の中では、三本線、失礼、三番目に長い夏となった。

以上です。