☆全国高校ラグビー大会県予選 観戦記 ~熊谷工業VS進修館(旧・行田工業)~

 「ピッ! ノックオン、スクラム、進修館ボール」

 

1986年度の第66回大会、日本ラグビー史上屈指のスクラムハーフと言われた堀越を擁する熊谷工業が埼玉県勢として初の決勝に進出した。決勝の相手は強豪の國學院久我山だった。だが、ここで熊谷工業に不運が襲う。主将でありチームの司令塔だった堀越が風邪による発熱、無理を承知で強行出場するが、動けず前半でベンチへ下がった。司令塔を失った熊谷工業はフォワード戦での劣勢は免れず敗戦、悲願の初優勝には届かなかった。

 

時代は変わり平成の世、1990年(平成2年)12月27日に開幕した第70回大会は史上最多の54校が出場した。第70回の記念大会ということで、埼玉県は2校の出場権を得ていた。Aブロック、Bブロックに分かれた予選は、Aブロックからは第一シードの熊谷工業、Bブロックからも同じく第一シードの行田工業が、それぞれ出場権を得た。
熊谷工業は、主将のスタンドオフ新井を中心に攻守のバランスが取れた好チームとして前評判は高かったが、大会の注目は日本代表候補5人を擁した天理の2連覇だった。
トーナメントを順調に勝ち上がった熊谷工業は準決勝で強豪の大阪工大高を 16 - 10 の接戦で凌ぎ、第66回大会以来の決勝戦進出となった。相手は予想通り2連覇を目指す天理と激突した。熊谷工業は、ゴール前のモールラッシュ、出足鋭いディフェンスのタックルで天理の持ち味を消し、ゲームを支配していった。前半を 10 - 6 で折り返し、後半開始早々にもトライをあげてリードを広げた。結果は、19 - 9 と、天理をノートライに抑え込む完勝だった。熊谷工業が出場21回目でつかんだ栄光は、埼玉県勢が初の高校ラグビーチャンピオンとなった瞬間でもあった。

 

 

 

埼玉県勢で唯一全国制覇を成し遂げている熊谷工業の試合が観たくなり、第104回全国高等学校ラグビーフットボール大会埼玉県予選3回戦が行われる熊谷ラグビー場Cグランドに向け、愛車のレクサスLX600 “OFFROAD” を走らせた。青に黒と赤のラインが入ったジャージー熊谷工業の試合を観戦するのは初めてだ。

埼玉県予選といえば、44校が参加する全国屈指の激戦区である。

埼玉県立熊谷工業は埼玉県熊谷市に所在し、1920年(大正9年)に創立された熊谷町立熊谷商業学校を前身とし、その後改称された埼玉県立熊谷商工から1966年(昭和41年)に分離独立した。
ラグビー部は熊谷商工時代の1948年(昭和39年)に創部され、花園出場回数が23回、花園通算勝利数が31勝で、いずれも埼玉県最多である。

 

試合の方は、花園出場7回を誇り、熊谷工業と数々の名勝負を演じてきた進修館(旧・行田工業)を相手に、106 - 0 で圧勝した。

尚、3回戦に勝利し、準々決勝に進出した高校は、昌平、本庄第一、慶應志木、浦和、熊谷工業、熊谷、川越、川越東となった。

 

熊谷工業の花園復活に期待したい。

 

 

 

 

 

以上です。

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