青森放浪記~球史に名を残す(2)・青森市営野球場
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仲本
2016年07月22日 06:42 visibility1298
青森市営球場は青森市街地の東部、合浦(がっぽ)公園の中にある。青森駅から約4キロと歩いていくにはしんどいが、市内の東部方面へ向かうバスに乗れば10分あまりで到着する。バス便の数が気になるが、日中は比較的本数が多く、それほどアクセスは悪くない。
合浦公園前のバス停を降り、次の角を左に曲がればすぐに公園の入口だ。入って左手が青森市営球場。正面に大きな石碑が立っている。
上部の細長い石碑には「青森市営野球場において日本プロ野球史上初の完全試合が達成された」、台座にはゲームのスコアなどが刻まれている。
昭和25年6月28日
西日本 000 000 000/0
巨_人 000 110 20A/4
(巨人投手・藤本英雄)
古い資料をみると9回裏が「A」になっているものを見かける。今は「X」と表示するところだ。
「西日本」は西日本パイレーツ。この年だけリーグに参加し、翌年には西鉄に吸収されている。碑文によれば巨人をはじめとした4チームで東北・北海道を転戦中の1試合だったという。4チームにより組み合わせを変え、各地でダブルヘッダーを行った。プロ野球が発足した当初、選手たちは旅芸人かなにかと同じように見られたそうだが、このころもまだ「興行」「巡業」という言葉がしっくりくる。試合時間は1時間19分。
完全試合といえば野球の試合の中でも一番の快記録だ。しかし当時はおそらく記録に関する情報が一般の人々に知れ渡っていなかっただろうから、観衆は「なんだだらしのない。こんな試合もあるんだねえ」くらいのものだったかもしれない。以来2016年シーズン途中まで、NPBにおいて完全試合は15試合を数えるのみだ。
細長い石碑の下のほうには藤本投手の投球のイメージ像がザクザクと荒い線で刻まれている。記念碑が立ったのは意外と新しく、裏を見ると平成に入ってからだ。
球場の前、公園内の遊歩道に屋台が出ている。混雑していたのと雨が降ったりやんだりしてしたのとで、スタンドで座る位置を決めるとほとんど動かなかった。そのため球場の構造をあまり把握できなかったが、球場内には売店のスペースはなさそうだった。これが代わりの役目を果たしているというわけ。これなら普通に公園に遊びに来た人も相手にできる。なかなか面白いと思った。
これは試合終了後に撮ったもの。球場は正面(ネット裏)スタンド以外はぐるりと金網で取り囲まれていて、一塁側・三塁側に扉がある(写真は三塁側)。入場するときはこの扉の前で球場係員にチケットを確認してもらい、扉を抜けてスタンドわきの階段を上ることになる。スタンドやグラウンドの様子は観戦した各試合の折々で触れることにしたい。
ちなみに入場料は500円だった。営利目的ではないという原則に基づいてだろう、チケットには「大会協力券」と書いてある。
sell2016青森放浪記
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