秋季大会放浪記~大阪・私学の壁

  • 仲本
    2016年10月08日 21:46 visibility521


舞洲球場ネット裏中段の通路にプロ仕様のカメラが2台据え付けられた。チームの偵察用ではないだろう。秋の大阪大会はまだ準々決勝。テレビ中継があるわけでもない。この段階では異例のことだ。

次の試合では大阪桐蔭高校が登場する。近年の高校球界では強豪の一角とみなされ、全国のファンも「次の甲子園大会にはやってくるのか」と動向が気になるところだ。しかしそれでは今さら話題にもならない。対戦相手が話題なのだ。おそらくはカメラもローカルニュースの素材として使うために撮っているのだろう。

大阪府下屈指の進学校・府立北野高校。この試合に勝つようなことがあれば、いよいよ近畿大会・選抜大会への道も開けてくるし、なんといっても春は謎の21世紀枠というのもある。いずれにしても、全国レベルのチーム相手にどんな試合をするかはポイントになるだろう。それに、今年の秋は偶然にも北野高校の初戦を見ている。これもなにかの因縁か。

先発メンバーがアナウンスされた。秋の大会もここまでくると選手名がわかる。

大阪桐蔭
8 藤原
7 宮崎(12)
9 山本(7)
5 山田(11)
3 福井(5)
2 岩本
4 坂之下
6 泉口
1 根尾(9)

カッコで示したのは背番号だ。守備位置と背番号が一致している場合は省略した。
ここまでの試合を見ていないので軽々しくは言えないが、控え選手も使いつつ、という布陣になっていた。


マウンドに上がった根尾投手は1年生。小中学生時代から速球もあり注目を集めた。
以前日記で取り上げた「斐太高校の長い夏」の根尾投手の弟だそうだ。よその強豪校に引っ張られてしまったのは残念といえば残念だが、せっかくなので、

(▼▼メ)y-~<大阪にでかい旗持って帰るために頑張るんやで
陰ながら応援する。

北野打線は初回果敢に振ってきてヒットも放ったが、後続なく無得点。

北野の先発はエース左腕・牧野投手。前回はアナウンスも何もなかったので、この試合でようやく名前がわかった。初戦を見たところうまくやれば1つ2つは勝てるのではなかろうか、と思ったが、ベスト8まで残るとは。


この日は強豪相手に失うものはないとばかりによく腕を振って投げていた。
1回無死2塁のピンチはゼロで切り抜け、3回・4回は三者凡退に切って取った。
ある意味注目の一戦だったこの試合、北野の応援スタンドには意外に人が少なかったが、それでもアウト一つとるごとの歓声は大きかった。


うん、まあ、そうはいってもね。

大阪桐蔭はきっちり6回までに7点をとり、7回表の北野の攻撃も三者凡退に抑えて危なげなく7回コールド勝ちとした。

北野の牧野投手は6回を投げ、二塁打3本を含む11安打を浴びた。とはいえ、コースをつくのに苦心して、四死球で走者をためてガツンとやられる、という場面は一度もなかった。3点を失った5回だが、アウト3つは三振でとっている。打線は完封を食らったが、戦う姿勢は見て取れた。全体的な印象として、負けっぷりは悪くないように思える。


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