読んでみた:神宮の奇跡
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仲本
2009年04月11日 00:09 visibility140
「ご成婚50年」に野球ネタをからめるという強引な日記です。記録をあたっていると「こりゃいったい…」と首をひねりたくなるような奇跡のシーズンにつき当たることがあります。東都大学リーグでいえば昭和33年秋がそう。
「1部優勝/学習院大学」
えっ。東都1部と言えば全国屈指の実力を誇るチームがごろごろいるリーグですよ。学習院って1部にいたことあるんですか。しかも優勝って。この本はその昭和33年秋、さまざまな人の人生がたった一度の奇跡のシーズンに引き寄せられている様を描いたものです。レギュラーシーズンを終え、日大・中央、そして学習院が同率の首位。3校総当たりの巴戦による優勝決定シリーズを3度行った末、ついにつかんだ栄冠でした。
学習院と言えば忘れちゃいけない「皇室御用達」。決定戦のスタンドには皇太子殿下(当時)も姿を見せました。折も折、昭和33年といえば、皇太子ご婚約発表の年。しかも発表の日は、学習院大学野球部が優勝を決めてから、わずか3日後のことでした。
主戦投手の数奇な人生もこれはこれでなかなか面白い。敗戦後の混乱で親兄弟を失い、とある教団の庇護のもとで育った彼が大学卒業後、野球界にもたらしたものとは。野球ものお約束の「血染めのボール」も出てきます。
ただ、どっちかというとその年のリーグ戦自体の面白さというよりも、そこまでに至る人間模様が中心になっているので、野球好きの人にはちょっともの足りないかも。見ていない野球の試合を文章で読んでイメージをつかむというのはなかなか難しいですね。
参考:『神宮の奇跡』 門田 隆将/講談社
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