お百度参り~和歌山大会

  • 仲本
    2018年07月21日 23:47 visibility507

野球どころ・和歌山の夏の高校野球大会は紀三井寺球場1会場で行われ、地元テレビ・ラジオ局は全試合を中継している。自宅の部屋の一番隅っこはかろうじて和歌山放送のラジオが入るので、ポケットラジオを窓際に置いて電波状況を気にしながら聞いたりしていたのだが、今年はなんとテレビ和歌山のライブ中継がネット経由で見られることが分かった。全く恐ろしい世の中である。

 

この前の三連休の中日、皆勤校の一つである和歌山・桐蔭高校の初戦が組まれていたのだが、試合開始が15時予定。隣の県といっても、球場へ行っては帰りがえらいことになる。おとなしくネット観戦することにした。好投手を複数抱えると評判だったシード校・初芝橋本に対して二ケタ安打を浴びせ、7回コールドで勝ってしまった。

 

桐蔭の次戦の試合開始予定は11:30といい感じ。しかもこの日の大阪の予想最高気温36度に対して和歌山は33度。涼しいじゃないか和歌山!(だいぶ麻痺している)。紀三井寺球場方面へは和歌山駅からバスが出ているが、ここの乗り継ぎと所要時間をよく見ておかないといけない。やむを得ず特急くろしおを使うことにした。おかげで試合開始に十分間に合った。

 

対戦相手は和歌山工。智辯和歌山が強くなる前、というともう昔の話になるが、何度か甲子園出場経験もある。和歌山工の1番の打順にピッチャーが入っている。珍しいなと思ったら背番号は「6」だった。

 

先手を取った和歌山工が序盤3回はペースをつかむが、打線好調の桐蔭は4回表、型どおり送って一死2塁からセンター前ヒットで同点にすると、次打者がフルカウントから痛打して左中間真っ二つ。さらに長短打が続いてこの回一挙4点。和歌山工はその裏、二死走者なしから内野安打と盗塁で得点圏に走者を送り、レフト前のタイムリーで1点を返す。これで桐蔭に傾いた流れも止まるだろう、と思っていると、ここから上位打線が単打を3本連ねて同点に追いついた。

 

5回表、桐蔭が犠牲フライで1点を勝ち越すと、その裏和歌山工は5番打者がレフトポール際へソロホームランを放って再び振り出しに戻る。ここで桐蔭のエースはマウンドを下りてライトの守備へ。5回終了時点で両チーム二ケタ安打をマークする打撃戦となった。

 

6回、桐蔭は一死2,3塁から前進守備の三遊間を破る2点タイムリー、さらにここまで3打数3安打と大当たりの6番打者がここも左中間をゴロで抜く長打を放って2点を追加。和歌山工も負けじとその裏、4番打者がレフトフェンスにぶち当てる二塁打で1点を返す。しかしなお満塁のチャンスは三振に切って取られて追い切れず。

 

桐蔭 000 414 000/9

和工 100 311 000/6

 

(和歌山工・西居投手)

終盤は両チームとも継投に入り、和歌山工は3番手の背番号1・西居投手が好投した。もしこちらが先発していれば展開は変わっていたかもしれないと思ったが、もともと背番号6の沼田が先発し、エースの西居につなぐというのがこの大会通じての和歌山工のパターンだったようだ。桐蔭は初戦で球数少なく好投を見せたエース坂上がこの日はつかまった。右横手の大西・左腕坂口とつなぎ、9回途中から坂上をマウンドに戻して逃げ切った。

 

(※球場観戦には十分な暑さ対策を。この日のスタンドは風が吹き抜けていたので、温度の数字よりしのぎやすかったように思う)

各地で平熱の体温を超えるような猛暑が続く。和歌山大会ではこの日から急遽、グラウンド整備の5回終了後に加え、3回と7回終了後、5分間のインターバルを設けることになった。それも含めて3時間に迫らんとするゲームだった。両チームの応援席はブラスバンドや鳴り物、桐蔭にはチアリーダーもいてにぎやかにやっていたが、ネット裏のひさしの下以外はこの暑さもあって観客はまばら。第100回の夏はそれはそれで喜ばしいが、こうした記録破りの猛暑が3年に1度になり、2年に1度になり、毎年になるかもしれず…、「甲子園は夏の風物詩」などと言っていられるのはいつまでだろう。

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