まれにみる打撃戦～京セラドーム大阪

9回二死走者なしから連続ヒット。一度ついえたかに思われたチャンスを再び作り直し、Honda熊本の応援スタンドからの声も一層大きくなったようだ。社会人野球の日本選手権決勝戦、追いかける点数は2点。一塁走者まで還れば同点だ。

ライト線をライナーが襲う。抜ければ同点か、という打球は、しかしスライディングキャッチでグラブにおさまった。ゲームセット。大阪ガス、3度目の優勝成る。

 さて、さかのぼってみると、試合開始は13時から。ぎりぎりに球場に到着したところ、当日券売り場には折り返しの行列ができていた。大阪ガスは地元中の地元、チーム券では間に合わなかったようなのである。わたしは最初からどちらのチーム券もあてにせず有料入場するつもりだったが、意外なところで時間を食った。球場に入ると幸い初回は両チームに「0」が入っている。

2回に大阪ガスが2点を先制すると、3回にHonda熊本は3番・稲垣のバットが快音を響かせる。ライトスタンドに飛び込む逆転の3ランを放つ。しかし大阪ガスはその裏、すかさず逆転すると、息をつかせず集中打。一挙5点をあげ、流れを大きく引き寄せた。

社会人野球は守備力が高い。序盤とはいえ4点差、これを返していくのは容易ではあるまい。

それでも打線が看板のHonda熊本は4回に2点、6回に1点と返して追いかける。8回、大阪ガスはこの回からマウンドに稲垣豪人。前日の準決勝・8回1失点を投げてからの連投となる。Honda熊本は1死一、二塁のチャンスでこの日一発を含む3安打4打点と大当たりの稲垣翔太。二人の稲垣の対決、結末はいかに。

 （盛大な手ブレですが…、）

ぐしゃり、という音がして、詰まった当たりのセカンドフライ。続く4番・古寺は強い当たりのゴロも三塁正面を突き、Honda熊本はあと1点が届かない。

Honda熊本_003 201 010/7

大阪ガス＿_025 010 01x/9

Honda熊本19安打、大阪ガス14安打は両チーム打ちも打ったり。社会人野球でこんなにヒットが出た試合はちょっと記憶にない。