サッカーの言霊その5「日本人はサッカーに向いていないか」

  • 2009年07月20日 21:16 visibility303


僕は最近、「日本人にはサッカーが向いているんじゃないか」と思うようになった。2050年まで待たずとも、W杯優勝の目標は達成できますよ。


                              川淵三郎 日本サッカー協会名誉会長 


                                     2009年7月2日産経新聞より


 


 


私がサッカーを見始めた1990年のワールドカップの時は


日本ではサッカーはまだマイナースポーツでしかなかった。


学校に行っても、野球の巨人戦の話で盛り上がることはあっても、


イタリア代表の話のできる友達は皆無だった。


 


1993年のドーハの悲劇の時、ショックのあまり翌日の高校を


サボって荒川の土手で日本サッカーのレベルの低さついて熟考


したのを思い出す。


まだ日本はしょせん「サッカー」を「サッカー」と呼ぶ国なのであって、


「フットボール」とは呼ばない国なのだと。


そんな自虐的な気分を抱えたまま、バイト先のホテルには行ったものの、


運ばれてくる皿の数に全く追いつかないほど、皿洗いの効率は一向に


上がらなかった。


 


そんな時、私がサッカーが好きで昨晩の悲劇にショックを受けて落ち込んでいる


の知っていたマネージャー(40代後半くらいで野球ファン)は、励ますつもりか


非難するつもりか、どういうつもりで言ったのか分からないけれど、その一言が


私の中で悔恨とともに残っている。


 


「日本人はサッカーには向いてねえんだよ。やっぱ野球だろ。」


 


その時はすっかり打ちのめされていて、何も言い返せず、


「やっぱりそうですかねぇ、へへ」


と相づちを打っとくのが精一杯だった。


 


 


しかし、それから二十数年。


日本人なんか絶対欧州で活躍できない、と言っていた奴らなんか


眼中にないとばかりに、中田が、中村が確固たる地位を築いた。


小野や高原がいたあのユースチームは20歳以下のW杯で準優勝


してしまった。


2009年になった今でもJリーグはヨーロッパのリーグと、グローバル


に競いながら、今でも多くのサポーターを惹きつけているし、日本代表


の試合はいつも満席になる。


スカパーのサッカーコンテンツは日本においてもドル箱だ。


 


これでも日本人はサッカーに向いていませんか?


いま声を大にして彼にそういいたい。


 


岡田監督が「W杯ベスト4」という目標を発表したことに対して


私の周りでも「そんなのできるわけないじゃん」と悲観論を唱える


人がよくいる。


 


ドーハの悲劇の時、私は思ったものだ。「自分が生きている


間に日本代表はW杯に出られるのか」と。


でも、今はW杯は出るのが当たり前になっているではないか。


 


どうして2050年までに日本がW杯で優勝できるわけがない、と


言い切れるだろうか。


この数十年間の私の周りのサッカーを取り巻く環境の変化の


速さに鑑みれば、それも十分に可能だと私には思える。  ■


 

























































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