湖底の城

”呉越春秋・湖底の城・第9巻”  宮城谷昌光著  講談社
呉越の戦いも第8巻では呉王・夫差の完勝となり
 それから越王・句践の苦難への道となる。
有名な”臥薪嘗胆”は夫差の臥薪であり
 句践の嘗胆を表している。
呉の勢いは楚を威圧し、陳や魯を攻めて中原への足掛かりを
 得ようとしている。
更には大国である斉を破った呉だが
 伍子胥を失ってから落ち目になっていく。
物語はまだ続くかと思われたが
 句践に敗れた夫差が自決し
  范蠡が呉を去り
 結局第9巻が最終版になってしまった。
筆者の中国を扱った作品は尭、舜に始まり
 殷、周、春秋、戦国、秦、前漢、後漢など
  何れも中原が舞台だった。
 南方僻地の呉・越を扱った長編作品は
  それだけで貴重なものとなる。
  

 

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