沙羅沙羅越え

”沙羅沙羅越え”  風野真知雄著  KADOKAWA社
筆者の作品は初読みだが、良かった。
歴史小説のようだが、冬の立山・沙羅沙羅峠越えで挽回を目指す男、
 越中の猛将・佐々成政が主人公。
信長在世時、軽んじていた秀吉は今や天下取り目前。
  その秀吉が嫌いで抗う成政。
往年のライバル前田利家は既に秀吉配下となり、隣国加賀から成政を脅かす。
 越後には上杉。秀吉も富山に向かうという四面楚歌の状態。
家康との同盟を目論み成政がとった行動は自身の冬の立山・沙羅沙羅峠越え。
 吹雪、寒さ、雪崩等々、
  雪山の決死行で気づいた心奥の絶望と虚無。
人生は不条理で、愚直とも言われた成政の心情が分かる。
 

 

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