ミツハの一族

”ミツハの一族”  乾ルカ著  東京創元社
筆者の作品は初読み。
北海道出身の小説家はかなり多いのだが
 この作品もその作風から直ぐに分かった。
  作者の写真を見るとチョット怖い人って感じかな。
烏目役・清次郎は、美しい水守と共に村の水源を脅かす”鬼”の心残りを解き明かし、
 常世へ旅立つように手助けする。
  死者の心残りを解明していく過程が、この物語の主点となる。
全体的に暗く静かな雰囲気だが、水守の少年が小学校の教科書や楽器等を与えられ、
 次々に吸収して成長していく姿には明るさと希望が垣間見られる。
「あなたのおかげで人としての心を得ることができた。
 だから常世で少しだけ歩いたら振り返ってください」
  と清次郎に言う水守の言葉は、切なさと強さを感じる。

 

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