六花落々

”六花落々”  西條奈加著  祥伝社
筆者の作品は久々。
幕末に雪華図説という学術書の出版に携わった小松尚七と
 彼を引立てた上司・鷹見忠常の実話。
ものの成立ちや在り方に徹底して興味を抱く尚七を取り立て、
 古河藩主・土井利位の学友に抜擢した鷹見は、
  参謀としても大局を見続けた策士である。
雪花に情熱を注ぐ尚七と雪の結晶の研究においては志を共にするが、
 時代の流れを読み藩主に尽くす慧眼は他と一線を画す鋭さ。
同時代のシーボルト事件や大塩の乱なども盛り込んで、
 とても読み応えのある内容である。

 

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