白い河

”白い河”  立松和平著  東京書籍
筆者の作品は2作目。
本著は足尾銅山鉱毒事件を巡る
 義人・田中正造の活動を描いている。
明治12年に始まり、中々解決出来なかった
 日本最初の公害案件である。
当時は災害ボランテイアもなく
 農民が自分達で対応していたが
  鉱毒への対応に苦慮していた様子がわかる。
田中正造の国会答弁書は素晴らしい内容で
 当時の農商務省大臣・榎本武揚も
  辞任に追い込まれる。
その後は色々対策をするが効果はあまり得られず
 鉱山の閉山に至り、やっと落ち着きをみせる。
渡良瀬遊水池で釣りをしたことがあるが
 この遊水池設置の経緯を深く知る事が出来た。
度重なる洪水で住民の死者は多く、
 鉱毒で死ぬものも絶えなかった。
  川俣事件では警官に農民が殺されることもあり
 当時の国の姿勢は反省すべき点が多かった。
尚、中途な結末から推して本作品は未完と思われる。

 

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