海神

”海神”  染井為人著  光文社

筆者の作品は初読みだが、良かった。

本作は東日本大震災後の混乱に乗じてやってきたNPOの人間に騙され、

 全ての復興予算を委ねてしまった天ノ島の人々の無念さを描いている。

実際にあった震災の被害を読むのが辛いが、災害ボランテイアを続けてきた

 自分の立場を考えてキチンと完読した。

本作ではボランティアで東京から来た女子大生・姫乃までも

 このNPOの悪事に巻き込まれてしまう。

震災の被害でさえ辛いのに、復興支援金を使い込まれてしまう島民。

 更にはマスコミにまで馬鹿にされる島民の辛さも描く。

またNPO代表遠田に育てられた情緒疾患の男子も犯罪に加担させられる。

 代表の遠田のせいで、何人が一生残るほど傷ついたか。

  エピローグには僅かに救いがあった。

 

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