”昨夜のカレー明日のパン” 木皿泉著 河出書房新社
筆者の作品は初読みだが良かった。
どうやら夫婦の共著らしい。
本著は夫を亡くしたテツコと、ギフ(義父)のゆったりした
ひとつ屋根の下の毎日が良い感じで流れていく。
亡くなった一樹や母・夕子を悲しむと言うよりは、
故人が生きていた時代をしっかりと刻んでいる。
全体に決して重くはない文章なのに、
ありし日の思い出をなんとか忘れないように
噛みしめたいとして記したような感覚。
テツコの彼氏・岩井は徐々にギフとテツコの家に
馴染んでいくようなラストだった。
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