持ち重りする薔薇の花

”持ち重りする薔薇の花” 丸谷才一著 新潮社

筆者の作品は久々。

本作は筆者最後の長編物。

元経団連会長、旧財閥系企業顧問である梶井のもとに、

 ジャーナリスト・野原が訪れ、話が始まる。

梶井は、80年代初めのニューヨークで、

 音楽院に通う日本人学生4人と知り合った。

梶井は彼らが結成した弦楽四重奏団に「ブルー・フジ・クワルテット」と命名。

 やがて世界有数のクワルテットに成長した四人には

 予想されたように、様々なトラブルが起こりはじめる。

4人が繰り広げるトラブルは、実に人間くさいのだが、

 確執が深まるほど、奏でられる音楽は一層美しくなるとか?

第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、

 概ねクワルテットは第1ヴァイオリンの独裁が多く、

 チェロと揉めるケースも多いらしい。

 

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