カゲロボ
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まこと@古希ジョッパークライマー
2023年12月15日 08:02 visibility135
”カゲロボ” 木皿泉著 新潮社
<野ブタをプロデュース>の夫婦脚本家さんの作品。
本作は、この世には「カゲロボ」というものがいるらしい、
そんな噂話から始まるSF短編集。
各短編の内容はどれも不条理に満ちたいじめ、震災、
子供の傷害事件など明るいとは言えない話ばかりだが、
筆者の手にかかると救いようの無い話でも
最後はそれほど暗い気持ちにはならない。
<カゲロボ>改め<はだ>で先ずGの存在が出てくる。
次いで<あし>ではチカダの指示に従い猫の足を切ってしまった賢と、
その後おかしくなったチカダが女子の脚に
カッターで切りつけ、両者の微妙な連帯感を感じさせる。
最終話の<きず>のように何の取り柄もないごく普通の人間だと
思っていても、どこかで誰かが見続けてくれている。
そう思うと前を向いて歩いていける気がする。
結局「カゲロボ」とは心に傷を持つ人に寄り添う
守り神みたいなものだったのだろうか?
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