
選手交代で勝ち点1を得た新潟と、2ポイントを失ったG大阪
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舞
2012年09月16日 15:13 visibility64
J1第25節のG大阪対新潟は1ー1の引き分けに終わった。
■前半はシュート数8ー0
序盤からお互いが中盤で激しい攻防を繰り返した前半は、うまくボールをつなげなかった新潟に対し、G大阪は新潟のプレスをうまくかわしながらレアンドロのゴールで先制。シュート数G大阪8本、新潟0本という数字が示す通りの内容で、ホームチームがリードしてハーフタイムを迎えた。
しかし、後半になると内容は一変。G大阪がダウンし、新潟が主導権を握ることになった。この流れを作る要因となったのが、両チーム指揮官の采配だ。
■攻撃的に仕掛けた柳下監督
前半を厳しい内容で終えた新潟の柳下監督は、ハーフタイムに「サッカー、ガンバを怖がっているやつは言ってくれ」と話し、選手たちの思い切りの良いプレーを引き出した。明らかに動きが良くなり、セカンドボールも次々に拾うようになって好転した後半、58分にはアラン・ミネイロに代えて藤田を投入することで縦への推進力を与え、71分に矢野を入れることで、前線に高さと強さを加え、迫力ある攻撃を引き出した。
矢野の投入により左MFに下がったミシェウには、「多少守備に遅れてもいいから、中央寄りにプレーしてくれ」と指示。裏への強さを持つブルーノ・ロペスと矢野の2トップに近い位置を取ることを求め、結果的にはそれが終了間際のPK獲得、同点ゴールにつながった。
■攻撃放棄にも見えたG大阪のスイッチ
一方のG大阪は対照的だった。前半を良い形で終えていただけに、ある程度そのままの戦いを継続しても悪くないように見えたのだが、松波監督が選択したのは、65分に二川から横谷、74分に倉田から武井という交代策だった。
新体制になってから、二川、倉田を途中交代させることは何度もあった。しかし、それが機能したということはほとんどないように思われる。確かに中盤の運動量が落ちていたということはある。しかし、攻撃面で推進力を与えてきた2列目の選手を、1人ではなく2人とも代えてしまうことで前後が分断し、押し込まれる展開になってしまうことは過去に何度もあったことだ。そこに家長や阿部、パウリーニョといった選手を起用するのであれば展開も変わっただろうが、ボランチタイプの選手を増やすだけではチームの重心が後ろに掛かってしまうのも当然のことだった。
二川から横谷への交代を準備しているタイミングで、レアンドロがベンチに走って指揮官に何かを伝える光景を見た時には、「フタ(二川)を代えるのはやめてくれと言っているのではないか」と想像してしまうほど、不安のよぎるスイッチだった。万博のスタンドが選手交代時にわずかに静まったように感じられたのも、多くの人がこれまでの悪夢を思い出したからだろう。
その後は予想通りの展開となり、押し込まれ続ける中でPKを献上し、同点に追い付かれた。松波監督は「その後、(点を)取りに行く力が少なかった」と話したが、その力が選手交代によって削ぎ落とされていたという事実は見逃せない。
今野は内容が悪くなった後半について、「見えないプレッシャーからくる疲れがあったかもしれないし、どうしても守りたいという焦りがあったかもしれない」と話した。厳しいプレッシャーにさらされた戦いが続く中で、守備に入ってしまうとどうしても前に出られなくなってしまう。それでも耐えられるだけの守備力があるチームなら話は別だが、少なくともG大阪にとってこれが得策とは思えない。ただでさえ「守ろう」と選手がなりがちの時だからこそ、攻撃意識を失わない選手起用も必要なのではないか。攻撃で怖さを与えられるチームがG大阪であり、それが相手の力を弱めることにもつながってきたはずだ。
慣れない残留争いの中で苦しいのは間違いないが、こういう時にこそ「G大阪らしさ」を失わないでもらいたいものである。今の状況が続くようであれば、しばらく残留争いからの脱出は難しいように思われる。
■前半はシュート数8ー0
序盤からお互いが中盤で激しい攻防を繰り返した前半は、うまくボールをつなげなかった新潟に対し、G大阪は新潟のプレスをうまくかわしながらレアンドロのゴールで先制。シュート数G大阪8本、新潟0本という数字が示す通りの内容で、ホームチームがリードしてハーフタイムを迎えた。
しかし、後半になると内容は一変。G大阪がダウンし、新潟が主導権を握ることになった。この流れを作る要因となったのが、両チーム指揮官の采配だ。
■攻撃的に仕掛けた柳下監督
前半を厳しい内容で終えた新潟の柳下監督は、ハーフタイムに「サッカー、ガンバを怖がっているやつは言ってくれ」と話し、選手たちの思い切りの良いプレーを引き出した。明らかに動きが良くなり、セカンドボールも次々に拾うようになって好転した後半、58分にはアラン・ミネイロに代えて藤田を投入することで縦への推進力を与え、71分に矢野を入れることで、前線に高さと強さを加え、迫力ある攻撃を引き出した。
矢野の投入により左MFに下がったミシェウには、「多少守備に遅れてもいいから、中央寄りにプレーしてくれ」と指示。裏への強さを持つブルーノ・ロペスと矢野の2トップに近い位置を取ることを求め、結果的にはそれが終了間際のPK獲得、同点ゴールにつながった。
■攻撃放棄にも見えたG大阪のスイッチ
一方のG大阪は対照的だった。前半を良い形で終えていただけに、ある程度そのままの戦いを継続しても悪くないように見えたのだが、松波監督が選択したのは、65分に二川から横谷、74分に倉田から武井という交代策だった。
新体制になってから、二川、倉田を途中交代させることは何度もあった。しかし、それが機能したということはほとんどないように思われる。確かに中盤の運動量が落ちていたということはある。しかし、攻撃面で推進力を与えてきた2列目の選手を、1人ではなく2人とも代えてしまうことで前後が分断し、押し込まれる展開になってしまうことは過去に何度もあったことだ。そこに家長や阿部、パウリーニョといった選手を起用するのであれば展開も変わっただろうが、ボランチタイプの選手を増やすだけではチームの重心が後ろに掛かってしまうのも当然のことだった。
二川から横谷への交代を準備しているタイミングで、レアンドロがベンチに走って指揮官に何かを伝える光景を見た時には、「フタ(二川)を代えるのはやめてくれと言っているのではないか」と想像してしまうほど、不安のよぎるスイッチだった。万博のスタンドが選手交代時にわずかに静まったように感じられたのも、多くの人がこれまでの悪夢を思い出したからだろう。
その後は予想通りの展開となり、押し込まれ続ける中でPKを献上し、同点に追い付かれた。松波監督は「その後、(点を)取りに行く力が少なかった」と話したが、その力が選手交代によって削ぎ落とされていたという事実は見逃せない。
今野は内容が悪くなった後半について、「見えないプレッシャーからくる疲れがあったかもしれないし、どうしても守りたいという焦りがあったかもしれない」と話した。厳しいプレッシャーにさらされた戦いが続く中で、守備に入ってしまうとどうしても前に出られなくなってしまう。それでも耐えられるだけの守備力があるチームなら話は別だが、少なくともG大阪にとってこれが得策とは思えない。ただでさえ「守ろう」と選手がなりがちの時だからこそ、攻撃意識を失わない選手起用も必要なのではないか。攻撃で怖さを与えられるチームがG大阪であり、それが相手の力を弱めることにもつながってきたはずだ。
慣れない残留争いの中で苦しいのは間違いないが、こういう時にこそ「G大阪らしさ」を失わないでもらいたいものである。今の状況が続くようであれば、しばらく残留争いからの脱出は難しいように思われる。
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