コッリーナ氏、選手の保護を訴える

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    2011年09月01日 16:25 visibility234
クラブと代表のサッカーが新シーズンを迎えるなか、UEFA審判部長を務めるピエルルイジ・コッリーナ氏が、欧州の主要審判員に対してUEFAからのメッセージを伝えた。


「選手を守ろう、そしてサッカーのイメージを守ろう」。クラブと代表のサッカーが新シーズンを迎えるなか、UEFAは欧州の国際審判員に対し、このメッセージを伝えた。

UEFAの欧州サッカー開幕イベントでこのメッセージを強調したのは、UEFA審判部の最高責任者を務めるピエルルイジ・コッリーナ氏だ。また、彼は現在実験的に導入中の副審4人制について、おおむね満足していると述べた。そのほか、ポーランドとウクライナが共催する来夏のUEFA EURO 2012本大会に参加する審判を、今年12月に発表すると、大会を目指す欧州の一流審判員に改めて伝えた。

選手を守ることとは、重大なファウルや危険を顧みないタックルなどに対して毅然とした態度を示すことにほかならないと、コッリーナ氏は語った。「脚の骨折を見たくはない」とイタリア人の元審判員は言う。「選手が他の選手によって健康を害される余地を、排除しなければならない。ピッチ上に医師はいらないのだ。相手の安全を損なわないよう、選手たちに言い聞かせなければならない。相手の尊重と選手の保護は、我々の主要課題の一つだ」

「もう一つの主要目標は、サッカーのイメージを守ることだ」とコッリーナ氏は続けた。「審判員が選手たちに詰め寄られるようなシーンは見たくない。我々は、選手たちが遠くからやってきて主審に圧力をかけ、取り囲もうとする状況を経験している。そして、審判員に対し、この種の行為を認めてはならないと勧告している」。このメッセージは、今週ニヨンで開催されたUEFAの夏季会合でも繰り返された。

また、コッリーナ氏は、意図的にイエローカードを受けて出場停止処分を済ませておこうとする選手に適用する罰則についても触れた。「そういった選手は、2試合の出場停止とする」とコッリーナ氏は説明した。「当選のことながら、選手が出場停止となる試合を選ぶことはできない」

2人の副審を追加する実験は、今季のUEFAチャンピオンズリーグとUEFAヨーロッパリーグで続けられる。また、UEFA EURO 2012でも2人の副審が追加される。「審判たちからは、非常に前向きなフィードバックを受けている」とコッリーナ氏は報告した。「彼らは、ピッチ上での出来事をコントロールしやすくなったと感じている。また、追加された副審の存在には、セットプレー時に相手を押さえつけたり引っ張ったりする行為を抑止する効果があるようだ」

実験であるだけに、改善に向けた努力は絶え間なく続けられている。追加された副審の位置が変更されたほか、その役割についての周知活動が展開されている。

さらにコッリーナ氏は、UEFAの審判育成・評価システムについて説明した。UEFA審判委員会は、UEFA理事会に指名された16人のメンバーで構成。アンヘル・マリア・ビジャル・ジョナ委員長とシェネス・エルジク副委員長の2人のUEFA理事と、元審判員の14名が名を連ねている。

UEFA理事会は2010年2月、UEFA審判委員会による取り組みの調整役として、UEFA審判部長にコッリーナ氏を、審判部役員にマルク・バタ(フランス)とヒュー・ダラス(スコットランド)の両氏をそれぞれ指名し、ジャッジに関するUEFAの技術的戦略、ならびにUEFA主催大会における審判選考の責任者とした。

一方、審判育成は身体能力、技術、教育の3部門に分かれており、審判員はトレーニングプログラムや栄養学の講習、アドバイスを受けるほか、フィットネスレベルのチェックを受けなければならない。また、シーズンを通じてフィットネステストやメディカルチェックが細かく実施されるほか、「瞬時に的確な視野」を得られるかどうかや動体視力を含めた視力検査も行われる。

さらに審判員は、定期的にUEFA審判委員と審判監視員のチェックを受けることになる。講座は各審判員のレベルだけでなく、能力および指導方針、ニヨンのUEFAセンター・オブ・フットボール・エクセレンス内のUEFAレフリー・センター・オブ・エクセレンス(CORE)におけるトレーニングも含め、成長段階や将来的な活動に応じて様々なものが用意されている。

UEFA EURO 2012に派遣される審判団は12月に決定される予定。「UEFAの上級審判員は12月まで評価されることになり、その後に4人一組の審判団12組を選定、2012年2月から5月にかけて最終チェックを行う」とコッリーナ氏は続けた。「これらの審判団は、チームとして協力し合うことになる」。来年5月にはワルシャワでEURO本大会に向けたワークショップが開かれ、専門家による副審の指導が行われる。



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