EUROの星とナニのゴール、盗品との再会
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2011年11月21日 09:28 visibility170
ジョバンニ・トラパットーニ監督率いるアイルランドは、エストニアとのUEFA EURO 2012予選プレーオフで、11日にタリンで4-0と先勝したのち、15日にダブリンで1-1と引き分けて、1988年以来となる欧州選手権の本大会出場を決めた。「この国にとってどれほど重要なことか、十分承知している」と、就任以降、予選通算24試合で2敗しかしていないイタリア人指揮官は話した。「選手、そしてサポーターのためにとても誇らしい気持ちだ。アイルランドの人々がこのときを待っていたことは分かっているし、その夢をかなえられて本当にうれしいよ」。12月2日に行われる本大会の組み合わせ抽選会で、アイルランドはポット4に入ることが決まっている。代表で歴代最多得点を記録している主将のロビー・キーンは、次のようにコメントした。「主将としてダブリンでチームを主要大会の本大会に導けたのは、アイルランド代表のキャリアで最高の瞬間だ」
選手:ペトル・チェフ(チェコ)
所属するチェルシーFCで5日に鼻を骨折し、モンテネグロとのプレーオフには出場が危ぶまれていたチェフだが、試合への強い思いと、バットマンのようだと本人も認めたオーダーメイドのフェイスマスクによって出場が可能になり、チームの勝利に大きく貢献した。チェコの守護神は、ポドゴリツァでの15日の第2戦でスーパーセーブを連発するなど、2試合を無失点に抑え、チームを5大会連続のEURO本大会へと導いた。「特に第2戦はペトル・チェフが絶好調だった」とモンテネグロのブランコ・ブルノビッチ監督も試合後にコメントした。「うちは少なくとも5回決定機を作ったが、チェコは彼に救われたね」
ゴール:ナニ(ポルトガル)
ボスニア・ヘルツェゴビナとのプレーオフ第1戦がスコアレスドローに終わっていたため、15日のリターンマッチで、まさか両チーム合わせて8ゴールが生まれるとは誰も予想だにしていなかったことだろう。パウロ・ベント監督率いるチームは、クリスチアーノ・ロナウドがゴール前30メートルの位置から直接決めたFKで開始8分に先制。するとナニがこれに負けじと、似たような位置から阻止不能な一撃を右隅に突き刺す。最終的にチームは6-2と大勝し、ポーランドとウクライナでの本大会行きを決めた。「僕にとって代表でのベストゴールだと確信している。言葉では説明できないね」とマンチェスター・ユナイテッドFCのMFは話した。「最高のシュート、素晴らしいゴールだった。これは特別な勝利だ。最高の姿勢を見せた僕らは、祝福されるのにふさわしい」
パフォーマンス:トルコ 0-3 クロアチア
おそらく今回のプレーオフで最も注目されていただろうクロアチア対トルコの第1戦は、大波乱となったUEFA EURO 2008準々決勝での両者の対決を思い出させるだけでなく、第2戦後にトルコ代表の指揮官の座を降りたフース・ヒディンク監督にとって、「非常に予想しにくい試合」だったという。イビツァ・オリッチのゴールで2分に先制したアウェーのクロアチアは、マリオ・マンジュキッチがリードを2点に広げると、ベドラン・チョルルカの代表2得点目によって、歴史的な勝利を収めた。第2戦はスコアレスドローに終わったが、クロアチアが2008年のリベンジを果たすには十分だった。「とてつもないプレッシャーだったが、見事に突破を決めた」とクロアチアのスラベン・ビリッチ監督は笑顔でコメントした。「次はEURO 2012優勝を目指していく。グループステージで敗退する可能性があることも十分承知しているけどね。でもトルコ戦でのクロアチアは、どんな相手にも引けを取らない戦いを見せた」
金字塔:イケル・カシージャス(スペイン)
スペイン代表主将のイケル・カシージャスは、コスタリカと2-2で引き分けた15日の親善試合で歴史にその名を刻んだ。レアル・マドリーCFでプレーする30歳のGKは、127試合目の代表戦出場を果たしてアンドニ・スビサレータ氏のスペイン代表の最多出場記録を更新し、次のようにコメントしている。「サッカーを始めた子供の頃は、そんな偉人に追いつけるなんて思ってもみなかった。でも今はもちろん、とても喜んでいるよ」。また、同じくGKのビアチェスラフ・マラフェエフも今週、大記録を達成。ロシア代表の守護神として、ギリシャと1-1で引き分けた試合で代表戦606分間連続無失点とし、同国の記録を更新した(ロシアの失点はマラフェエフが交代した後だった)。
数字:112(ジャンルイジ・ブッフォン)
イタリア代表GKのジャンルイジ・ブッフォンは、2011年11月11日のポーランド戦(2-0の勝利)で111試合目の代表戦出場を果たした。続く15日の親善試合ではウルグアイに0-1で敗れたものの、ブッフォンはアズーリ(イタリア代表チームの愛称)の伝説的GKディノ・ゾフ氏の出場記録に並んだことを喜んだ。「彼に追いつけるかもしれないと思い始めたのは、ほんの2、3年前の話だよ」とブッフォン。「でも代表デビューを果たした1997年には、そんなことは夢でしかなかった。歴史的な名選手の記録に並ぶまで、多くの時間が流れたね。ゾフは真に伝説的な存在で、この記録に達することをとても誇りに思う」
若き守護神:ステファノス・カピノ(ギリシャ)
ブッフォンがキャリアの晩年を送っているのに対し、ギリシャ代表GKステファノス・カピノはまだキャリアをスタートしたばかりだ。カピノは15日の親善試合に17歳と243日で出場し、ギリシャ代表の最年少出場記録を更新。パニオニオスとAEKアテネで名を成したストライカー、トマス・マブロス氏が1972年につくった記録を塗り替えた。今季開幕の時点ではパナシナイコスFCの4番手のGKにすぎなかったカピノだが、同クラブでは守護神アレクサンドロス・ツォルバスがUSチッタ・ディ・パレルモへ移籍。ステファノス・コツォリスは負傷し、9月17日のアトロミトスFC戦に出場したオレスティス・カルネジスが開始3分で退場となったことで出番が回ってくると、そのチャンスを両手でつかんだ。そして公式戦出場5試合にしてルーマニア戦(1-3で敗北)で代表デビューと、まさにシンデレラボーイとなっている。
名誉スコットランド人
イングランド代表として77試合に出場し、ワールドカップの3大会でもプレーしたテリー・ブッチャー監督が、スコットランド・サッカー博物館の殿堂入りを果たした。インバネス・カレドニアン・シッスルFCを指揮するブッチャー監督は、選手、監督としてスコットランドで過ごした10年間の功績を認められ、13日に栄誉を与えられた。2009年にインバネスの監督に就任したブッチャー監督が初めてスコットランドへやって来たのは1986年のこと。レンジャーズFCで4年の間に127試合に出場し、3度のリーグ優勝と2度のリーグカップ優勝を経験した。2002-06年の4年間は監督としてマザーウェルFCを率い、さらにスコットランド代表チームでジョージ・バーリー監督のアシスタントを務めた。現在52歳の元DFは、イングランド代表のキャプテンとして1986年のFIFAワールドカップでは8強、1990年イタリア大会でも4強入りしたボビー・ロブソン監督率いるチームに貢献した。
腕時計との再会
最近はサッカー選手が長期勤続表彰を受けるほど1つのクラブにとどまることは珍しい。元MFのローレン氏はアーセナルFCに7年間在籍したが、それでは金時計をもらう資格にも満たなかった。本人はそう思っていたが、最近になって貴重な時計をガナーズ(アーセナルの愛称)から受け取ることに。といっても、それはもともと彼の所有物で、34歳のローレン氏は今週、「ロレックス・デイトナ」と再会。警察がエセックスおよび東ロンドンでの捜査で多数の盗品を回収し、そのうち、このロレックスの腕時計がローレン氏の物だったことが判明した。アーセナルから連絡を受けた元カメルーン代表の同氏は、お宝と再会できて「本当にうれしい」とコメント。一方、アーセナルの6年以上に及ぶトロフィーの捜索は、今も続いている。
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