★WBC★野球は得点を競うものではなく勝敗を競うスポーツである!
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隊長53
2009年02月23日 12:55 visibility1029
野球というスポーツは、勝敗を競うスポーツである。
勝敗を決するために得点(失点)を競うのであって、
得点(失点)そのものが目的になってはならない。
目的は相手に勝つことであり、
その手段として点を取る(失点を押さえる)のである。
ある時、AとBの2チームの対戦結果が以下の通りとなった。
○Aチーム 8対1 Bチーム×
×Aチーム 0対5 Bチーム○
AとBの対戦は、
あくまで1勝1敗のタイである。
野球の場合、
これ以上の結果はないし、あってはならない。
決して、
2試合の得点を合計し8対6でAの勝ち
としてはいけないのである。
AとBにどうしても優劣をつけたい場合でも
8対6という結果をそのまま使ってはいけない。
何故なら、Aが8対1で勝った試合は、
コールド勝ちかもしれないからである。
コールド無しというルールで9回まで戦った場合、
勝敗こそひっくり返らねど、8対4で終わった可能性も多いにある。
すると、2試合の合計なら8対9でBの勝ちとなる。
得点という概念を使うことはこれだけ危険なのである。
また、ある時、A〜Dの4チーム間の対戦結果が以下の通りとなった。
○Aチーム 2対1 Bチーム×
×Aチーム 1対2 Cチーム○
○Bチーム 2対1 Cチーム×
×Dチーム 0対5 Aチーム○
○Bチーム 5対0 Dチーム×
○Cチーム 5対0 Dチーム×
4チーム対抗戦の場合よくあるパターン『3強1弱』。
1チーム蚊帳の外の三つ巴状態の場合である。
野球の場合、
A〜Cの勝敗は全て2勝1敗であり、
3チーム同率の首位である。
これ以上得られる結果は何もない。
しかし、どうしてもA〜Cに優劣をつけたい。
幸いなことに今回は、コールドも無く、延長も無く、
サヨナラゲームも無く、全て9回で決着がついたとしよう。
3チーム全ての点数は、8対3。
残念ながら全くの同点である。
それでも順位をつけなければならない。
そこで考え出されたのが、前回WBCで適用された
失点率にて順位を決定するというルール。
失点数÷守備イニング
の値が少ない方を上位とするというものである。
これも馬鹿げた方式である。
野球の本質が分かっていない。
上の例だが、
左側のチームが後攻、右側が先行である。
先行で負けた場合、8イニングしか守れない。
よって、守備イニングは、それぞれ
A:27回
B:26回
C:26回
失点数は全て3で同じなので、
たまたま守備イニングが多かったAが1位(優勝)となる。
前回WBCで日本が決勝トーナメントに進出できたのも
この馬鹿げたシステムのおかげである。
(『1強3弱』で弱の3チームが1勝2敗が並び、失点率でたまたま進出)
サッカーなどのように
時間が決められていてその時間内にどちらのチームにも
平等に得点の機会が与えられているようなスポーツの場合、
順位決定の為、勝敗以外に
得点(失点、得失点差、得点率、失点率 など)を
使うことはある意味有効かもしれない。
しかし野球は、
攻撃や守備機会が平等に与えられていない時点で
もうそれは有効ではない。
勝敗に関係なく
必ず9回裏まで試合を実施すれば解決するかもしれないが、
それはもはや野球ではない。
野球というスポーツは、勝敗を競うスポーツであり、
得点(失点・・・など)を競う意味がない
という理由がお分かりいただけただろうか。
もっと大きく言うと、
得点(失点・・・など)を使わざるを得ない『1試合総当りリーグ戦』は、
野球には向いていないということである。
そのシステムの欠陥或いは野球の本質に気づいたのか、
或いは、3敗もした日本の優勝(世界一)
に対するクレームによるものなのかは定かでないが、
WBC予選ラウンド(第1-2ラウンド)は、
ダブルエリミネーション方式※にて実施される。
(決勝は通常のトーナメントなのは残念)
トーナメントの欠点である組合せによる運不運を極力排除し、
2度負けた時点で敗退が決まるトーナメント方式である。
多少の運不運は残るが、非常に良いシステム適用したという印象だ。
複数試合の得点(失点・・・など)を比較するという概念を一切排除し、
勝敗だけで決着がつけるという野球の本質に適った方式である。
『1試合総当りリーグ戦』に向かない野球にとって、
超短期決戦でいかに効率よく予選をするかという目的を果たした
非常に優れた方法である。
(どう優れているかは、また別の機会に譲りたい)
※【ダブルエリミネーション方式】
2度負けた時点で敗退が決まるトーナメント方式。
勝者サイドと敗者サイドの両側から、決勝進出チームが決まる。
(勝者サイド)通常トーナメントのように、全勝1チームが決勝に進む。
(敗者サイド)1敗した時点で敗者サイドのトーナメントに入り、
そこから勝ち上がった1チームが決勝に進む。
http://www.wbctr.jp/summary/
http://eplus.jp/sys/web/sports/baseball/wbc2009/index.html
以上
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