オフの成果 巨人選手の兄弟型一覧(2015年版)

  • 舎人
    2015年03月02日 02:53 visibility27653
久しぶりの更新になってしまいました。今日から3月、火曜日からはいよいよジャイアンツのファームが関東に戻ってきます。ドラフト1位ルーキー岡本がどれほどの選手なのか今から待ち遠しいばかりです。1月にジャイアンツ球場に合同自主トレを見に行った時、噂どおりの頼もしいフリー打撃と、意外にも柔らかいグラブ捌きに、実戦でのプレーが楽しみに感じたのですが、ようやくそれを目の当たりにすることが出来るという訳です。我々ファームウォッチャーは今シーズン、この岡本の動向を注目することを中心に回って行くことでしょう。その成長の軌跡をこれから記憶や文字や映像に留め、未来への夢を膨らまして行くのです。その夢が大きなものになることを今は祈りたいと思います。

さて、このオフは以前のように動画の編集をしたり、選手のレビューをまとめたりといった作業を特に何もやりませんでした。まぁ、そういったことは私のやっていたことにインスパイアされた誰かがやってくれたのでそれで十分でしょう。今更仕事の遅い私がやったところで大したものが出来ません。その代わり、私しかやらないようなことをやろう。そんな思いでこのオフを過ごしたのでした。実はこのオフは本業の方で都心に向かうことが多く、そのついでに永田町にある国会図書館に足しげく通うことが出来たのでした。そこで何をしていたかというと過去の野球関係の新聞や雑誌を思う存分漁っていたのでした。これは実に楽しい。例えば、なぜ原さんと落合さんは確執が生まれたのか?現在の視点で当時のありとあらゆる新聞、雑誌を俯瞰することができるのです。これだけでかなりのレポートが書けそうです。その他にも球数制限についての80年代の考え方とか、荒木大輔の外れ1位で巨人に指名された斎藤雅樹がどのような評判で入団したのかなど、その時代の空気でないと分かり得ないような話を数多く知ることができました。これは今後私が野球を考えたり語る上で、大きな蓄えとなるでしょう。

そういった過去の記事のサルベージの中で、特に複写までして資料を集めたものがありました。それはドラフト会議翌日の新聞です。これは以前から折に触れて私が話している選手たちの兄弟型について、過去に遡ってきちんと資料を揃えておきたいと思っていたからでした。日刊スポーツのドラフト名鑑は他のスポーツ紙とは違い、選手の家族構成までしっかりと記載されていて大変参考になるのです。2005年以降のものは保存してあるのですが、それ以前のものはあったり無かったり散逸したりで、手元には完全なものがありません。そこで、この機会に過去の新聞誌面を手に入れたのでした。

国会図書館は一般の図書館とは違い、蔵書を申請しないと閲覧できない閉架式図書館です。そこで過去の新聞や雑誌を申請して引っ張り出して閲覧するのですが、10年以上前の日刊スポーツに関しては全てマイクロフィルムで保存されていました。それをリーダーと呼ばれるスクリーンで閲覧するのです。申請してお目当てのマイクロフィルムが出て来るまで15分ほど、それを閲覧して、希望の部分の複写の申請をするのですが、フィルムを返却するまでの時間を合計すると約1時間半ほど時間がかかります。一度に3本まで申請できるものの、これを数十年前まで遡るのはかなりの日数と時間がかかりました。しかし、そのおかげで今まで不明とされていたかなりの部分が解明されたと思います。例えばネット上で阿部慎之助に兄弟はいるかどうかの質問が幾つか存在しますが、それを見ると一人っ子だと書いてあります。しかし、スポーツ選手で一人っ子で大成した人は極めて少ないので、私はこれを疑問視していました。すると1999年のドラフト会議翌日の紙面には阿倍の兄弟について、姉と妹がいると記載されているのです。阿部は男女混在の3人兄弟の中間子だったのでした。これは奇しくもポスト阿部を狙う小林の兄弟型とぴったり同じだったのです。このように新たな発見がこの一連の作業の中であったのでした。

さて、この兄弟型を唱えている人は宗教学者の島田裕巳さんや芸人の前田健さんなど何人かいるのですが、一番良く知られているのが今は亡き畑田国男さんという方です。兄弟型が野球と強く結びつけて語られるようになったのは、この畑田さんが週刊ベースボールで「兄弟型野球学」というコラムを連載していたからなのでした。この方は強烈なアンチ巨人で、当時十代で何も知らない無垢な巨人ファンだった私のことをしばしば憤慨させていたのですが、そのコラムは面白く、いちいち納得させられていました。「なぜ原辰徳はチャンスでポップフライばかり打つのだろう」「あんなにひょうきんで表情豊かな江川がなぜマウンドでは無表情なのだろう」これらのことを氏は兄弟型に置き換えて解説していました。それは時を超え、今の野球を見る際にも繋がっています。チャンスでなかなか力を発揮できない村田修一はかつての原辰徳と同じ兄弟型が第一子なのです。マウンドで表情を変えない内海は江川と同じ男系第一子なのです。そういった共通点が数多く時空を超えて存在しているように思えます。

畑田国男さんの考えた兄弟型には7つのタイプが存在します。それは第一子(長男)、中間子、末っ子、一人っ子というものです。この中で第一子、中間子、末っ子については「男ばかり」の兄弟だった場合は、特にそれを注目するというもの。つまり、第一子、男系第一子、中間子、男系中間子、末っ子、男系末っ子、一人っ子の7タイプということです。その特徴をまとめたものが次の表です。






































































































































投手においても野手においても末っ子が良いとされています。第一子に期待するべきポジションは投手だったら先発完投型、野手においてはアベレージヒッターのようです。中間子は内野手としてどの兄弟型よりも適性があるようです。この兄弟型を今シーズンの巨人の日本人選手に付記して一覧にしてみました。

第一子は紺色、中間子は緑色、末っ子は赤、一人っ子は青、男系はそれぞれ下線が施してあります。

投手
11 久保 裕也 177 80 右・右 血液型:A、兄弟型:中間子(男系3人兄弟、兄、弟) 
13 香月 良太 180 85 右・右 血液型:A、兄弟型:第一子(男系2人兄弟、弟)
15 澤村 拓一 183 98 右・右 血液型:A、兄弟型:末っ子(2人兄弟、姉)
17 大竹 寛  184 92 右・右 血液型:B、兄弟型:中間子(3人兄弟、姉、弟)
18 杉内 俊哉 175 82 左・左 血液型:A、兄弟型:末っ子(2人兄弟、姉)
19 菅野 智之 185 90 右・右 血液型:A、兄弟型:末っ子(2人兄弟、姉)
26 内海 哲也 186 93 左・左 血液型:A、兄弟型:第一子(男系3人兄弟、弟×2人)
28 高木 京介 183 86 左・左 血液型:AB、兄弟型:末っ子(2人兄弟、姉)
29 福田 聡志 180 84 右・右 血液型:O、兄弟型:末っ子(2人兄弟、姉)
30 宮國 椋丞 186 82  右・右 血液型:B、兄弟型:中間子(4人兄弟、兄、妹×2)
35 西村 健太朗 184 94 右・右 血液型:A、兄弟型:一人っ子
37 田原 誠次 180 78 右・左 血液型:A、兄弟型:中間子(4人兄弟、兄、弟、妹)
41 松本 竜也 193 90 左・左 血液型:AB、兄弟型:末っ子(2人兄弟、姉)
43 青木 高広 187 87 左・左 血液型:O、兄弟型:第一子(2人兄弟、妹)
45 今村 信貴 180 82 左・左 血液型:AB、兄弟型:第一子(2人兄弟、妹)
47 山口 鉄也 184 88 左・左 血液型:A、兄弟型:末っ子(男系2人兄弟、兄)
50 戸根 千明 173 93 左・左 血液型:O、兄弟型:一人っ子
54 高木 勇人 178 88 右・右 血液型:A、兄弟型:中間子(3人兄弟、姉、弟)
57 公文 克彦 173 78 左・左 血液型:A、兄弟型:第一子(男系3人兄弟、弟×2人)
59 小山 雄輝 187 80 右・右 血液型:O、兄弟型:末っ子(3人兄弟、姉×2)
62 江柄子 裕樹 184 82 右・右 血液型:B、兄弟型:不明
63 笠原 将生 191 95 右・右 血液型:O、兄弟型:第一子(男系2人兄弟、弟)
66 須永 英輝 181 85 右・左 血液型:O、兄弟型:末っ子(男系2人兄弟、兄)
67 土田 瑞起 181 87 右・右 血液型:O、兄弟型:不明
69 田中 大輝 182 76 左・左 血液型:O、兄弟型:末っ子(2人兄弟、姉)
90 田口 麗斗 171 75 左・左 血液型:B、兄弟型:第一子(3人兄弟、妹×2) 
92 平良 拳太郎 181 77 右・右 血液型:O、兄弟型:中間子(4人兄弟、兄、姉、妹)
99 阿南 徹  182 80 左・左 血液型:O、兄弟型:中間子(4人兄弟、兄、妹×2)
捕手
22 小林 誠司 178 78 右・右 血液型:O、兄弟型:中間子(3人兄弟、姉、妹)
23 相川 亮二 182 86 右・右 血液型:A、兄弟型:中間子(男系4人兄弟、兄、弟×2)
27 實松 一成 177 85 右・右 血液型:A、兄弟型:中間子(3人兄弟、姉、弟)
40 加藤 健  186 93 右・右 血液型:A、兄弟型:末っ子(男系2人兄弟、兄)
53 河野 元貴 179 83 右・左 血液型:B、兄弟型:末っ子(男系2人兄弟、兄)
64 鬼屋敷 正人 178 84 右・右 血液型:O、兄弟型:一人っ子
内野手
00 寺内 崇幸 177 71 右・右 血液型:B、兄弟型:末っ子(2人兄弟、姉)
0 藤村 大介 174 73 右・左 血液型:AB、兄弟型:中間子(男系3人兄弟、兄、妹)
2 井端 弘和 173 73 右・右 血液型:B、兄弟型:末っ子(2人兄弟、姉)
6 坂本 勇人 186 83 右・右 血液型:AB、兄弟型:中間子(男系3人兄弟、兄、弟)
8 片岡 治大 176 80 右・右 血液型:O、兄弟型:末っ子(男系3人兄弟、兄×2)
10 阿部 慎之助 180 97 右・左 血液型:A、兄弟型:中間子(3人兄弟、姉、妹)
25 村田 修一 177 92 右・右 血液型:AB、兄弟型:第一子(男系2人兄弟、弟)
36 中井 大介 182 85 右・右 血液型:B、兄弟型:末っ子(2人兄弟、姉)
38 岡本 和真 183 95 右・右 血液型:A、兄弟型:末っ子(男系3人兄弟、兄×2)
56 坂口 真規 187 95 右・右 血液型:A、兄弟型:第一子(2人兄弟、妹)
60 大累 進  175 73 右・右 血液型:O、兄弟型:末っ子(3人兄弟、姉、兄)
61 和田 恋     180 84 右・右 血液型:O、兄弟型:末っ子(男系2人兄弟、兄)
65 辻 東倫  181 82 右・左 血液型:B、兄弟型:末っ子(3人兄弟、姉×2)
68 吉川 大幾 175 73 右・両 血液型:A、兄弟型:末っ子(3人兄弟、兄、姉)
外野手
7 長野 久義 180 85 右・右 血液型:O、兄弟型:第一子(2人兄弟、妹)
9 亀井 善行 178 82 右・左 血液型:AB、兄弟型:末っ子(3人兄弟、姉、兄)
12 鈴木 尚広 180 78 右・両 血液型:A、兄弟型:中間子(3人兄弟、姉、弟)
24 高橋 由伸 180 87 右・左 血液型:O、兄弟型:末っ子(男系3人兄弟、兄×2)
31 松本 哲也 168 66 左・左 血液型:O、兄弟型:末っ子(3人兄弟、姉、兄)
32 橋本 到  172 78 右・左 血液型:O、兄弟型:末っ子(男系3人兄弟、兄×2)
33 金城 龍彦 177 82 右・両 血液型:A、兄弟型:中間子(4人兄弟、兄×2、妹)
44 大田 泰示 188 95 右・右 血液型:O、兄弟型:末っ子(男系3人兄弟、兄×2)
48 矢野 謙次 178 81 右・右 血液型:O、兄弟型:末っ子(3人兄弟、兄、姉)
51 横川 史学 186 90 右・左 血液型:B、兄弟型:末っ子(2人兄弟、姉)
52 隠善 智也 174 77 左・左 血液型:O、兄弟型:第一子?(男系2人兄弟、弟)
58 立岡 宗一郎 181 83 右・両 血液型:A、兄弟型:末っ子?(2人兄弟、姉)
91 堂上 剛裕 183 85 右・左 血液型:O、兄弟型:第一子(男系2人兄弟、弟)
■ 育成選手
投手
001 篠原 慎平 186 95 右・左 血液型:A、兄弟型:不明
002 田原 啓吾 182 86 左・左 血液型:A、兄弟型:不明
003 野間口 貴彦 183 90 右・右 血液型:A、兄弟型:中間子(3人兄弟、姉、弟)
010 高橋 慎之介 187 85 右・左 血液型:A、兄弟型:不明
012 成瀬 功亮 182 82 右・右 血液型:A、兄弟型:第一子(3人兄弟、弟、妹)
013 田中 太一 181 83 右・右 血液型:O、兄弟型:末っ子(男系2人兄弟、兄)
捕手
005 田中 貴也 178 80 右・左 血液型:O、兄弟型:末っ子(男系2人兄弟、兄)
006 芳川 庸  183 80 右・右 血液型:A、兄弟型:不明
内野手
004 川相 拓也 174 71 右・両 血液型:O、兄弟型:中間子(4人兄弟、兄、妹、弟)
外野手
007 高橋 洸  184 77 右・右 血液型:A、兄弟型:末っ子(男系2人兄弟、兄)
008 青山 誠  185 85 右・右 血液型:O、兄弟型:不明
009 長江 翔太 190 88 右・左 血液型:O、兄弟型:不明
011 北之園 隆生 180 88 右・左 血液型:AB、兄弟型:不明

昨年2014年のドラフト指名選手から、1994年のドラフト指名選手の相川までですから21年間の資料を参考にしたものです。こんな手間隙のかかる作業は私以外やろうと思い立つ人間はいないでしょう(苦笑)

これを型ごとに区分けすると次の通りです。




























































































巨人には育成の選手まで入れると74人の日本人選手がいますが、兄弟型の分かった65名のうち第一子は13名、中間子は17名、末っ子は32名、一人っ子は3名という結果でした。割合でいうと第一子は20%、中間子は26.1%、末っ子は49.2%、一人っ子は4.6%というものです。畑田さんがコラムを始めた時代、プロ野球選手の中で末っ子の割合は46%だったとのことですから、今年の巨人の陣容ので末っ子が49%というのは、今も昔も末っ子が多くプロになっているということです。しかし、少子化の時代、第一子や末子に比べ中間子の数は普通に考えれば圧倒的に少ないはずですが、第一子よりも中間子が多いということに兄弟型の傾向を強く感じます。

ただし、これはあくまでも紙面等に載っていたものを参考にしたものなので実際は異なっている可能生があることをご了承ください。また、間違っていたり、不明な点をご存知の方がいたら、ご指摘・ご連絡をしていただけたらと思います。

関心のない人にはどうでもいいことかもしれませんが、血液型とは違い、兄弟型は一種の社会学です。決してオカルトなどではありません。それをドラフトやチーム編成を考える上で参考にするべきというのが私の思いなのです。さらに詳しく知りたい方は畑田さんの著書の一部を抜粋したものをドライブに置いておいたのでご覧になってください。氏の著書は全て絶版になっていますが、中古本はネットでいくらでも手に入るので参考にして見てもいいと思います。

畑田国男著「兄弟型プロ野球珍獣図鑑」1989年刊 より一部抜粋

さぁ、明後日からは机の上で野球を楽しむのではなくて、球場で楽しみましょう。いつもの茶柱さんやむぎゅうさんのほかにジョン君も京都からはるばる駆けつけてくれるようなので旧交を暖めましょう。それではレポ屋2015の始まりです!

こっちにも来てください。溜まり場です(ー_ー)!!
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