満月の夕

風が吹く港の方から


焼け跡を包むようにおどす風


悲しくて全てを笑う


乾く冬の夕


 


夕暮れが悲しみの街を包む


見渡すながめに言葉もなく


行くあてのない怒りだけが


胸をあつくする


 


声のない叫びは煙となり


風に吹かれ空へと舞い上がる


言葉にいったい何の意味がある


乾く冬の夕


 


ヤサホーヤ 唄がきこえる 眠らずに朝まで踊る


ヤサホーヤ たき火を囲む 吐く息の白さが踊る


解き放て 命で笑え 満月の夕


 

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