プロスポーツビジネス

先日、とある雑誌を斜め読みしていたら、面白い記事を見た。

サッカーJ1チームのクラブの収支だ。
3分の1くらいが黒字だったかな?

クラブの経営実態を公表し、健全な財務を実現することは良い事だ。


さて一方NPBはどうだろうか?

私の予想では、黒字球団は巨人、阪神、広島、ソフトバンク(微妙)、日ハム(無理かな?)くらいかな?


プロ野球は歴史は長いがまだまだ成熟していない。


球団を経営している以上、しっかりと黒字を計上し、地域とファンに還元する必要がある。

球団経営において、黒字を出す事が詐欺を働いているような、変な雰囲気がある。
これからのプロスポーツビジネスは過去の悪き慣習と決別しなくてはならない。

そんな中、楽天は、プロ野球に、プロスポーツビジネスの新たな価値観を創造してくれそうで期待している。

つまり、営業黒字を確保する自律した球団経営の実践だ。

今のプロ野球のビジネスモデルは高度経済成長の時代と変わらない。
赤字を垂れ流しがしても広告宣伝費と片付けてしまう。
人口が拡大し、それに比例し球団親会社の売上げが拡大する。だから知名度は大事だ。

しかし、日本は2005年から人口減社会に突入した。
現在の生産人口(15〜64歳)は9000万人である。そして50年後は今より半減して4500万人になると言われている。
知名度がイコール売上げ増につながらないのだ。

よって、企業宣伝を担った他のアマチュアスポーツは廃部、予算削減の嵐だが、これは時代の流れといわざろう得ない。

よく、プロ野球は公共性が高く、企業の論理を持ち込むと夢が壊れると言う方々も居る。
しかし、公共性が高いから赤字を出して良いと言う発想が分からない。

赤字を継続し続ければ、球団経営は出来なくなる。
日本は人口減社会に突入し、アマチュアスポーツ同様、球団の引き受け先は現れない可能性もある。

現状維持は業界(NPB)の破綻を意味する。

つまり、現役の選手を含む関係者の雇用機会の損失につながるのだ。

という事は、プロ野球の球団経営を事業として自律させる事が、未来に向かって野球市場の裾の拡大につながる。


ところで楽天の一年目は黒字を確保したのだ。しかし、ダントツの最下位の責任をとる形で田尾氏が監督を辞任した。

かなり、同情すべき点はあるが、残念ながら同氏は21世紀型の管理者たる素養が備わっておらず、やむを得ない。

21世紀の監督たるや時間軸と戦略の軸を持つ事が重要だ。

つまり、一企業の経営者と同じです。赤字で事業を継続するバカはいない。

経営資源は人・物・金・情報・時間のと言われている。

人と金だけでは無く、モノ、情報や時間の要素も掛け合わせ運営するのです。
組織の上に立つプロの管理者たる監督・コーチは最低限知っておくべきだ。

楽天の前監督の田尾氏は『選手獲得に金を出してくれない。』、『素人が球団経営をするから駄目だ。』
と回りのモチベーションが下がる発言をしてしまった。

現状の選手や球団スタッフはやる気をなくす。

さらに監督を辞める際『球団批判をしない条件に3000万を口止め料として掲示された』と暴露話までした。

以上を踏まえ、早めに更迭した球団の考え方には合理性があると私は考える。


当時の楽天の戦力はきんちゃん球団よりやや強い位であろう。

プロテクトから外れた選手をかき集めた集団だ。

そんな時に無理に補強すれば、相場の倍の値段でつかませられる。
だったら動かず、今ある戦力を底上げした方が、ノウハウの蓄積につながる。

球団幹部は数年間成績が低迷するのはやむを得ないと腹をくくっていた。

何故か現場の指揮官は地に足がついていなかった。

勿論プロである以上勝利を追求するのは当たり前だ。

しかし、楽天はチームの成績に経営状況が左右されない考えを打ち出していた。

それは地域に愛される球団創りだ。

負け試合も魅せる!
球場に足を運んでくれたお客様を徹底的に楽しませる仕掛けを行っていた。

さらに、育成の観点からみても非常にもったいない。
個々人の選手の能力が劣ることは、即ち多くの選手が試合にでる機会があるという事だ。
一芸に秀でた選手を育てるもよし、徹底的に若手を起用するもよし、他球団をクビになったベテランの最後の意地に掛けるのも良い。
その可能性を『良い選手を獲得してくれない』という発言で全て潰してしまった。

更に、お客様を楽しませる創意工夫をしていた球団に対しても『素人』とこきおろした。
地域密着をうたっている中で、お家騒動何とも白ける。


一組織のトップは現場は勿論、スタッフにも配慮する心遣いが必要だ。


いづれにせよNPBは過去の選手としての実績が評価された人が監督になることが多い。

プレイヤーとマネージャーは違うはずだ。

さて、話しは大分それたが、サッカーのように監督・管理・指導者にはなるためにはライセンスを必要なようにして欲しい。


長期ビジョンを持った監督が沢山出てくることを期待したい。

そして、プロ野球の球団経営が安定し将来に渡り野球の裾野が拡大することを望む。

chat コメント 

コメントをもっと見る

通報するとLaBOLA事務局に報告されます。
全ての通報に対応できるとは限りませんので、予めご了承ください。

  • 事務局に通報しました。