ふと、少年時代を思い出し・・・

何があったわけでもないが、自分の少年時代の出来事をふと思い出した。それは・・・・、
ある一人の友達であり、野球のチームメイトだった。名前は「けんちゃん」
けんちゃんは、僕たちのチームの主力選手だった。打順は3番でサードを守っていた。これは、小学校低学年のチームの時の話。その時、僕たちの学年のチームメイトは、自分たちが高学年チームになってもけんちゃんが同じように3番でサードを守るものだと思っていた。しかし、僕たちが実際に高学年チームになった時、けんちゃんはその打順にも守備にもいなかった。
ある日、野球の練習をして家に帰り、けんちゃんも含め、みんなで遊んでいた。その次の日からけんちゃんは学校にも練習にも来なかった。
けんちゃんは、入院したのだった。子供だった僕はその事がどんなに深刻なもんかわからなかったし、みんなもけんちゃんはすぐに戻ってくるといっていた。今思うと、大人は知っていたのかも知れない・・・。
長引く病気だった事を・・・。
良くみんなでお見舞いに行った。その時、いつも病室には入れず、窓越しでの会話だった。でも、それが病気のおもさを物語っているとは子供の僕たちは理解できていなかったから、いつもおちゃらけていた。そして、誰もがけんちゃんが3番、サードにけんちゃんが戻ってくると思っていた。しかし、けんちゃんは戻ってこなかった。けんちゃんは白血病で短い人生に幕を下ろしてしまったのでした。告別式には、チームメイトが棺桶に花を入れることになり、数人が行ったが僕は行けなかった。今でも覚えている。それは、けんちゃんが死んじゃった事を受け入れなければならない事になってしまうと幼いながらも感じた。もっと子供の表現でいうと「けんちゃんがいなかったら、3番サードは誰がやるの?」
そして、6年生になり、我々のチームは、3番には普段から1番を打っていた同級生が入っていた。そして、サードには5年生の後輩が入った。その後輩には悪いがそこは「けんちゃん」の場所。そう思っていた。けんちゃんはその光景をどう感じて天国から見ていたのだろう?
今、しばらく僕は野球をしていなくて、やりたくてウズウズしている。けんちゃんはもっとウズウズしてるんだろうな。また一緒にやろうな、けんちゃん。

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