祈り

 昨日は草サッカー。公式戦である。勝てば準決勝進出。しかし、
相手はトーナメントの中で一番強い相手である。先日のリーグ戦で
は大敗している。どう考えても勝ち目はない。


 高校のころ、やはりどう考えても勝ち目のない相手との対戦を控
え、どうやれば勝てるかチームのみんなと相談したことがある。そ
んなときに出てきたのは、だれかにけんかをふっかけさせるなどし
て暴力事件といった不祥事を起こさせて不戦勝になるか、悪い物を
食べさせて食中毒になってもらうか、およそ戦術とかけ離れたアイ
デアしか思いつかなかった。


 大人になると、子どもの行事のために参加できないとか、法事で
参加できないとか、そんな理由でメンバーがそろわないことを祈る
といったアイデアしか出ない。やはり、そんなにレベルは変わらな
いのが情けない。

 

 当日、奇跡が起こった。
 相手の人数が10人しかいないのだ。しかも、ゲームメーカーが不
在なのだ。
 リアクションサッカーをすれば勝てるかもしれない。

 

 試合がはじまる。強力な2トップに前時代的なマンマークを付け
る。なおかつ、中盤からのボールの出所もマークする。人数が一人
多い分、自分のチームのコマを相手とぶつけて減らしても守るとい
うゲームプランである。前半は一人多いのにもかかわらず互角だっ
た。しかし、後半になってくると、こちらはマンマークをしてきつ
いポジションのメンバーを効率よく交代させていったので、相手の
ペースが落ちてくるのが分かる。後半の半ばに待望のゴールが生ま
れる。すぐに追加点も。ここで、一気に前がかりになり、中盤にス
ペースを作ってしまい危ない場面が連続起こる。怒鳴り合いながら
修正し、なんとか終了。勝てないと思った相手に、人数の差に救わ
れたものの勝てたのだ。

 

 神様はいるもんだ。

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