自分のお気に入りの個サルを見つけたい——。そんな風に思っているユーザーは多いのではないでしょうか。 今回はボンフィンフットボールパークで1000回以上の個サルをスタッフとして担当した“名物スタッフ”の渡邉健雄さんに話を聞いてきました。

人のつながりを楽しんでほしい

 

 

ボンフィンフットボールパークとして個サルを本格的に始めたのは2011年からです。それからの約5年間、おそらく1000回以上は個サルを回してきたと思います。おかげさまで、三鷹平沼園コートも落合南長崎コートも、個サルは大人気になっていて、予約を開始して30分ぐらいで満員になってしまうことも珍しくありません。

私たちが大事にしているのが「ただボールを蹴るだけじゃなく、みんなで楽しい個サルを作り上げる」ということです。他のフットサルコートではスタッフはタイムキーパーに徹するところも多いですが、ボンフィンではどんどん絡んでいきます。黙々とボールを蹴るのも悪くありませんが、せっかく同じ空間を過ごしているんだから、仲良くなった方が楽しいはず。

 

どんな個サルにしたいのかというのをスタッフが持っていれば、それはお客さんにも伝わります。スタッフがどんな声をかけるかというのは、すごく大事です。例えば、シュートが決まった時に「ナイッシュー!」とよく言います。だけど、そのシュートが当たったら危ないようなシュートだったら、どうでしょうか? それをスタッフが「ナイッシュー」と言ってしまうと、そのシュートはオッケーなんだということになってしまいます。だから、どんなにすごいシュートが決まったとしても、あえて「ナイッシュー」を言わないということもあります。

 

1人でドリブルをして強引にシュートを打つ参加者がいたとします。他の人が、ちょっとつまらなさそうにしている。その人に向かって「パスを回しましょう」と言うのは簡単です。でも、みんなの前で言われたら、あまり気分が良いものではないでしょう。何よりも、その人が楽しめなくなってしまいます。

 

そういう時、私がやるのが“笑い”に変えること。ドリブルで仕掛けてシュートが決まった後、「●●さん、昔の血が騒いじゃったかな〜?」と明るく言えば、変な空気にはならないですし、ドリブルをしていた人も「あ、ちょっと強引だったのかな」と気づくかもしれません。

 

大事なのは、人間関係をつくっておくことです。心がつながっていれば、ストレートに「今のプレーは危ないですよ」と言っても大丈夫な場合もあります。個サルにはさまざまなお客さんが来ます。その時によって、どんな雰囲気になるかも変わるし、何が起こるかというのは予測がつきません。だからこそ、“テンプレート”ではなく、どんな声をかければいいか、その場に合わせて考えることが必要になるのです。

 

そのようなスタイルでやっているボンフィンの個サルは、お客さん同士が自然と仲良くなっていくのが特徴です。プライベートで飲み仲間になったり、カップルになったり、結婚したり……。フットサルコートで結婚パーティーを開いたことも良い思い出です。

 

夏と冬でプログラムを変える

 

 

個サルに来ていただいたみなさんに楽しんでもらうためには、どんなニーズがあるのか、それに合わせたプログラムがあるかというのが、すごく大事です。

例えば、私たちのコートでは「アクティブ個サル」というクラスがあります。通常の個サルでは2時間を4チームで回すのですが、アクティブ個サルでは2時間を3チームで回します。1人あたりのプレー時間が増えるので、たくさん走りたいという人や、ボールを蹴りたいという人に適しています。

 

他にも「サクッと個サル」というのもあります。10人を2チームに分けて、1時間ひたすらゲームをするというものです。これは仕事が終わってから参加する人が多いので、2時間やってしまうと家に帰るのが遅くなるという声があって生まれたクラスです。1時間だけですが、ほとんど休憩時間がないので「一番動けるクラス」という声もあって、すごく人気が高くなっています。

また、夏と冬では汗をかく量や体力の消耗度も変わってくるので、夏のほうが休憩時間を多めにするなど、季節によってもプログラムを変えます。

ボンフィンでは出社してきたら「昨日の個サルはどうだった?」というのが挨拶がわりになっています。それぐらい、個サルのことをみんな考えているんです。シフトがあるので、同じ日時のクラスを、常に同じスタッフが担当できるわけではありません。それでも、どの個サルで、どんなことがあったのかも、できるだけ情報共有するように心がけています。だから、一つでもクレームがあれば、どうしようかを必死に考えます。コートの営業終了後にスタッフたちで話し込んでいて、気がつけば終電がなくなってしまった……ということも(笑)。

 

私たちスタッフが大事にしているのは、その人にあった接し方やコミュニケーションをとって、参加者のみなさんがプレーしやすい、楽しみやすい雰囲気をつくることです。それぞれのニーズにあった個サルが見つかると思うので、ぜひ、ボンフィンにいらしてください。

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