パシリキャプテンの悲哀

私は、パシリキャプテンである。 

パシリキャプテン（＝ＰＣ）とは、弱小フットサル（サッカー）チームにおける最高責任者である。
日々、フットボールへの愛が足りない他のメンバーたちを、鼓舞し、叱咤し、そして、甘やかし続けるのである。 

その隠された悲哀は、以下。

・コートの予約は、キャプテンの仕事。
・メンバーへの連絡＆出欠確認は、キャプテンの仕事。
・メンバー募集は、キャプテンの仕事。
・チームのＨＰの作成・管理もキャプテンの仕事。
 
・対戦相手の募集は、キャプテンの仕事。
・相手チームへの連絡は、キャプテンの仕事。
・大会への申込は、キャプテンの仕事。
・大会費やコート代の支払＆立替は、キャプテンの仕事。
・雨天中止の確認、連絡、相手チームへのお詫びも、キャプテンの仕事。 

・ゲームのある日に、バイトを入れるのはメンバーの仕事。
・ゲームのある日に、引越しをするのはメンバーの仕事。
・ゲームのある日に、美容室の予約を入れるのはメンバーの仕事。
・ゲームのある日に、野球の試合を入れるのもメンバーの仕事。
 
・ゲームのある日に、結婚式を挙げるのはメンバーの仕事。
・ゲームのある日に、その結婚式に参加するのはメンバーの仕事。
・ゲームのある日に、その結婚式にユニフォームで参加し、ゲームの為に、途中退席するのがキャプテンの仕事。 

・ゲームのある日に、合コンを入れるのは、メンバーの仕事。
・その合コンに他のメンバーを誘うのも、メンバーの仕事。
・その合コンに誘われないのが、キャプテンの仕事。

・カカやクリスティアーノ・ロナウドよりもカペッロやモウリーニョを敬愛する。それがパシリキャプテン。
・ジュニーニョやフランサよりも、オシムやオリヴェイラに注目する。それがパシリキャプテン。
・中村俊輔や小野伸二よりも、反町康治や西野朗を応援する。それがパシリキャプテン。

・来る者を拒まず、去る者を追わない。

・ひたすら、近く安く取り易いコートを探し、
・ひたすら、近く安く、参加チーム＆試合数が多い大会を探す。 

・たまに個人参加のフットサルプログラムに参加し、その時だけは攻めまくる。
つもりで参加も、結局、ディフェンス。ややもすれば、キーパー。

 そう、そんな男の中の男こそが、パシリキャプテン。

 初代世界大統領にも相応しい男。それがパシリキャプテン。

 ピクシー曰く、「ウルトラハードワーク」を実践できる選手。それがパシリキャプテン。

 ああ、パシリキャプテン！！ 

今日も全世界いたる所で、あまたのパシリキャプテンたちが、フットボールへの誇りと愛を胸に秘め、ひたすらに涙を隠し、ただボールを蹴り続けるのである。