帰ってきた点取り屋!U―18出身の阪南大・工藤が加入

  • 李紗
    2013年06月09日 21:45 visibility163
コンサドーレ札幌に新戦力が加わった。7日、阪南大FW工藤光輝(21)と来季の仮契約を結んだ。厚真町で生まれ、札幌U―18で育った道産子は、再び着る赤黒のユニホームに飛躍を誓った。加入は来季も、クラブはJ公式戦出場が可能になる特別指定選手制度の活用を日本協会に申請。早ければ22日ホーム岐阜戦からの出場が可能になる。定期的な練習参加ができない場合は、チーム合流即試合という特別プランもクラブは用意と、大きな期待を込め、迎え入れる。

 心から、うれしかった。4年ぶりに着る札幌のユニホームに「また袖を通せたことはうれしい」と工藤は喜びをかみ締めた。U―18からのトップ昇格はならずも、大学での経験を経て「一番愛するチーム」への加入を勝ち取った。「自信と不安は半々だが、強い思いを持ってプロの世界に臨みたい」と決意を口にした。

 抜群の得点力が認められた。昨季は優勝した総理大臣杯、3位となった全日本大学選手権、関西学生選抜で臨んだデンソー杯のいずれも大会最多の5得点を挙げた。「ゴール前での動きや駆け引きが強み。そこをなくしたら自分の価値はないに等しい」。強みを発揮し結果を残し、Jの3クラブから声がかかる中、札幌入りを決めた。

 高3時は「精神的な安定感が足りなかった」とトップ昇格を見送った三上大勝GM(41)も「大学4年間で成長が見えた」と異例の早期契約を結んだ。期待の大きさはそれにとどまらない。J公式戦出場が可能な特別指定選手制度を日本協会に申請した。早ければ22日岐阜戦からピッチに立つことができる。

 練習については「今月下旬にも札幌に行ければ」と工藤は言った。大学の公式戦は9月までないため、長期の帯同も可能な状況。仮に一緒に練習できない場合も、三上GMは「3月に練習参加してるので、財前監督もイメージは分かっている。アウェーでメンバーに入れて、いきなり試合ということも考えている」とプランを明かした。加入は来季だが、今季の即戦力としても期待している。

 工藤自身、クラブの思いは分かっている。「今、J2に甘んじている状況を歯がゆく思っている。自分の力で少しでも変えられるなら、そこに挑戦したい」。サッカーをしながら、英語教職課程も履修した努力の男が、札幌を活性化させていく。

 ◆工藤 光輝(くどう・みつてる)1991年8月23日、厚真町出身。21歳。厚真中央小2年から、厚真FCキッカーズで競技を始める。あつまスポーツクラブを経て、07年4月に札幌U―18入り。同期にMF古田。10年4月に阪南大国際コミュニケーション学部国際コミュニケーション学科に入学。12年には関西学生特別賞を受賞し、デンソー杯ではMVPを獲得。家族は両親と祖母。170センチ、66キロ。右利き。

 ◆札幌の特別指定選手 J2所属の03年に札幌大のDF河端和哉を登録し、リーグ戦には1試合に出場。翌年には本契約を結び、札幌入りを果たした。04年には道都大のDF権東勇介と札幌大のMF斉藤勇志の2人を登録。権東はリーグ戦25試合1得点と活躍し札幌入りした。

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