真面目な姿とは裏腹に(妄想ネタ)


「もー新井ちゃんったら遅いわね。もうアップの時間だってのに」
レーツェル監督は自分の腕時計を気にしつつ、ベンチをしきりに見つめている。

「どうせユニフォーム間違えた〜とかそんなことチャモよ」
「えーっ、何言ってんのよ亜茶子。新井ちゃんに限ってそんなことありえないわよ。あんなに真面目な人なのに」
「いーや、そういう時に限ってありえる、ってこないだ旦那が言ってたチャモよ」
「知憲さんが?…ふーん、まぁいいか」
「姉貴〜まだ新井兄ちゃん待つの〜?」
「うーん…そうね、これ以上待ってても時間かかるから…それじゃあみんな、始めましょうか」

ウォーミングアップを始めてしばらく経った頃。ようやく新井がベンチから出て来たが、何故か彼は身体を屈めた怪しい体勢でダッシュの列に加わり、最後の一本をこなした。

「ん?あれ新井っちだよな?何か怪しいチャモねー」
「ん?どした亜茶子」
「いや、何か新井っちの様子が変だからさぁ」

亜茶子が新井の仕草を不審に思ったところに、ベンチ裏から兄貴が出てきた。しかもその顔はかなりにやついている。
「レーツェル、亜茶子、ちょっとええか」
「ん?どこ行ってたのよ知憲さん」
「ちょっと二人とも、耳貸してくれ。ええか……が…で、あいつは……分かったか?」
「へぇ。何だか怪しいとは思ってたけど、そういうことだったんだな…新井っち」
「…フフフ、何だか亜茶子の言ってたことが分かる気がするわ。オッケー、この話みんなにも教えたらいいのよね?」
「ああ、但しあいつにバレないように頼むぞ」
「わかったわ」
「合点承知!アタイと姉ちゃんに任せといてよ!」

レーツェルと亜茶子は、兄貴が発したかん口令を口々に選手に伝えていく。そして何食わぬ顔で笑いを堪える一同。だが、それも長くは続かない。

「ちょっとレッド!頑張って堪えてよ」
「やっぱり…僕には無理ですよ…姐さん…プププ…」
「やっぱりそうじゃの、ガーッハッハ!」
兄貴が豪快に笑ったのを皮切りに、笑いを堪えていたレーツェル監督始め選手全員が一斉に笑い出した。


「いやーんもう新井ちゃんったら、ホントに面白い人なんだから〜」
「アタイもうおかしくて腹よじれそうチャモ〜」
「ひどいっすよ、姐さんにあっちゃん〜」
「あはは、ごめんごめん。違うの着てきた罰金は…そうね、諸経費込みで5000万円。これで許してあげるわ」
「そんなぁ…ひどいっすよ姐さん〜」

まぁ、この一幕が一服の清涼剤になったのは言うまでもない。



……レーツェル姐さん的に再現したらこうなりました(笑)
今日の妄想は「清涼剤とユニフォームと5000万円」。参考にしたのは今日のデイリー。練習嫌いなフェル君にしては珍しく練習したがってます。

写真は今日100均で買ったミルメーク。懐かしい。















































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