クロスプレー

1死１・３塁、オレは３塁走者。
バッターの打球はボテボテのピッチャーゴロ。

いざ本塁突入！

ピッチャーからはイイ返球が送られてくる。
オレは捕球体勢のキャッチャーの背後目掛けて全力スライディング！
そしてキャッチャーの足の間からホームベースにタッチ！
その間にキャッチャーミットがオレの背中をかすめる。

舞う砂煙、そして僅かな静寂の後、審判のコールは…

アウト！

不思議と悔しさは沸かなかった。
イケてるスライディングしちゃった達成感と
ジャッジを待つ１〜２秒のドキドキ感が相まって
なんとも不思議な充実感がオレを包んでいた。

美味しくて懐かしい感覚。
あの瞬間オレは完全に野球小僧だった。

結局試合は負けてしまったのだが、
ノスタルジーを与えてくれたこの試合、
ちょっと忘れられないかも。