2012:J2:15節:H:ファジアーノ岡山VS京都サンガF.C.「実力差を感じたが、攻守の切り替えが早く、見応えのあった試合」
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杉野雅昭
2012年05月21日 00:23 visibility112
岡山VS京都:1-2
得点者:25田所、32サヌ、10工藤
観客数:11088人
●岡山スタメン
20川又
7キムミンキュン・36関戸
25田所・8千明・14仙石・2沢口
5植田・18竹田・3後藤
1中林
●リザーブ
GK:21真子
DF:22篠原・30一柳
MF:13石原・11桑田
FW:19中野・10チアゴ
●途中交代
20川又→13石原、25田所→10チアゴ、36関戸→11桑田
●京都スタメン
32サヌ・13宮吉
23中村・10工藤
15中山・7チョンウヨン
16福村・20バヤリッツァ・4秋本・8安藤
1水谷
●リザーブ
GK:30児玉
DF:6ファンテソン
MF:18倉貫・22駒井・25伊藤
FW:11原・14長沢
●途中交代
23中村→18倉貫、32サヌ→22駒井、15中山→11原
●戦評
試合を通して、京都がワンランク上のサッカーを見せた。
しかし、試合自体は、攻守の切り替えが早くて面白かった。
また、京都のここまでの試合の被シュートの少なさがそのままスタッツとして現れた試合で、京都13本、岡山3本と体感以上の差があった。
京都の連動した守備・攻撃に岡山は、後手後手になる事が多かった。
京都と岡山には、格の違いを感じる実力差があった。
岡山は、先制こそしたが、京都の順当な勝利と言えた試合。
●レビュー(岡山側)
攻撃では、8千明と14仙石の所で、ボールを失う事が多かった。
そのため、攻撃の時間が極端に少なくなり、なかなかチャンスを作れなかった。
守っては、京都細かいパスワークに翻弄され、乱されていた。
守備の強さを見せたというよりは、なんとか食らいついていたという印象が強かった。
そのため、京都の攻撃を防ぐのは、難しいと思っていた。
岡山は、ボールを取り所を掴めず、自陣深くまで、持ち込まれた。
最後の所で、人数をかけて奪うしかなかったというのが、この試合。
そのため、押し込まれる時間が多く、クリアしても前に選手が居なくて、波状攻撃を受ける要因となった。
良い形で、ボールを奪える事が出来ず、得点もカウンターからだった。
また、京都のサッカーは、非常にお手本になる。
京都の少ないタッチ数で、狭い所をパスワークで崩す攻撃。
的確なポジショニングと連動したプレスで高い位置からボールを奪ったり、セカンドボールを拾う守備。
システムこそ違うが、全体のバランスの取り方は、非常に参考になる。
この敗戦で、自分達の実力不足を痛感した筈だが、それも成長への第一歩。
ここから、ファジももっと強くなって、次の対戦では、勝利したい。
●レビュー(京都側)
パスワーク、守備、運動量、キープ力、テクニック、連動性、1:1の強さ、フィジカルetc…
岡山を全ての面で、圧倒した。
先制こそ許したが、その実力差は、顕著だった。
岡山を応援している私は、ジャイアントキリングも期待したが、やはり京都は、そんなに甘くは無かった。
昨季の終盤対戦した時以上に完成されたサッカーは見せた。
C大阪の様な魅力的サッカーと感じた。
ここまで、対戦してきたチームの中で、一番パスを回すスピードが早かった。
やはり、今季昇格争いの本命に挙げる人が多いチームという内容だった。
こういったサッカーをシーズンとして出来るのならJ1昇格最有力と言える。
今季ここまで、見て来た試合の中では、一番面白かった。
それだけ魅力的サッカーを京都はしていた。
また、DF以外のポジションでは、層の厚さを感じる陣容。
特に前線は、素晴らしい。
このまま怪我人が多く出なければ、総合力で、J2を駆け抜けてJ1へ昇格する。
そういった事を予感せずには居られなかった。
京都は強かった。
それに尽きると思います。
岡山にとって、とくも参考になる試合でした。
どうも有難うございます。
次対戦する時は、少しでも差を縮めてもっといい勝負が出来る様にチームは、頑張ってくれると思いますので、次回対戦する時は、宜しくお願いします。
●得点シーンと失点シーン
☆1得点目(25田所)
カウンターで、20川又のポストプレイから2沢口が裏へ抜け出す。
2沢口が、バイタルエリアまで、侵入して、サイドチェンジ。
25田所が受けて、7キムミンキュンとワンツーで、25田所が裏へ抜け出す。
そのまま25田所がGKとの1:1を冷静に決めてゴール。
前節に続いてカウンターからの得点。
20川又のポストプレイも良かった。
2沢口も逆サイドを良く見えていた。
25田所への7キムミンキュンのリターンパスも正確だった。
25田所もGKとの1:1をしっかり決めた点は良かった。
実力のあるチームの戦いが続くし、こういった得点を増やしていきたい。
★1失点目(32サヌ)
7チョンウヨンが、高いテクニックを活かしたドリブルで、バイタルエリア手前まで、ボールを持って上がる。
23中村が、パスを受けて15中山へ出す。
その15中山が、サイドへ出すと思いきや楔型のパスを13宮吉へ入れる。
13宮吉が、ボールを収めきれず、ボールが毀れる。
その毀れ球を32サヌが、ダイレクトで、シュートを放つ。
1中林が、触れるも弾き切れずゴールが決まる。
7チョンウヨンの様な高いテクニックからのキープしたプレイは、随所にみられた。
そういった意味では、時間の問題という失点だったかもしれない。
また、前への意識が高く、少しでも通せそうなら楔型パスを入れる。
サイドへ展開する事が多い岡山とは、意識の差を感じた。
解説者が言うには、少しラインにずれが生じていた様だ。
そうならば、その隙を突かれての失点という事になる。
1中林も触っていただけに悔しい失点。
32サヌのポジショニングが良く隙を見逃さなかった。
この辺り、抜け目の無い得点だった。
★2失点目(10工藤)
8安藤のスローインから。
13宮吉が受けて32サヌへパスを出す。
32サヌは、クロスを入れず、8安藤へバックパス。
8安藤が、クロスを入れる。
それに後ろから飛び出して来たSBの16福村が飛び出してヘッドをする。
それが、ポストに当たり、跳ね返ったボールを10工藤が押し込んで決まってゴール。
不運と言えば不運だが、後ろから来た選手を捕まえ切れなかった。
昨季のセットプレイでの失点みたいなシーンでした。
やっぱり岡山の選手は、マークが下手で、結構外してしまう。
予測に課題を感じる試合でした。
ゴールの嗅覚みたいにここが危険というのを抑える事ができなかった。
それが出来る様になれば、こういった形の失点は減ると思います。
ただ、この試合は、守備で苦しんでいたので、疲れやすく、集中力が欠如しやすい。
確かに16福村の動きも良かったが、その一瞬の隙を突かれたゴールだった。
●要点整理
(1)完敗。
(2)実力差があった。
(3)当分の目指すべきは、京都。
(4)(3)より、京都のサッカーが、影山監督のしたいサッカーだと思う。
(5)選手層で、大きな差があった。
(6)これだけパス回しを出来る相手にどう守るかが課題。
(7)試合自体は、面白かった。
(8)シュート打てなくても内容がある程度あると感じる不思議。
(9)影山監督の13石原の投入の仕方は、失敗だったと思います。
(10)10チアゴは、今日のパフォーマンスなら今後楽しみ。
(11)得点差が開かなかったのは、1中林の存在は大きい。
(12)内容が悪くてもある程度試合に出来るのは成長。
(13)大きな差がついたのは、水戸戦のみだから、ある程度自信を持って良いと思う。
(14)(13)より今季は強くなった。
(15)この試合で、悪かった事をしっかり修正して、次に繋げて欲しい。
●評点
岡山側
GK1中林:6,0:ファインセーブで、ピンチを防いだが、1失点目は、防いで欲しかった。
CB5植田:5,5:ミスもあったが、攻守で良いプレイもあった。
CB18竹田:5,5:粘り強く守るも2失点喫した。
CB3後藤:5,5:攻守で存在感を見せた。
DH8千明:6,5:裏への抜け出しで、チャンスを作った。
DH14仙石:5,5:京都のプレスに苦しんだ。
WB25田所:6,5:ワンツーで、裏へ抜け出し、先制ゴールを決めた。
WB2沢口:5,5:攻守での1:1の強さを発揮した。
ST7キムミンキュン:5,5:厳しいマークにあい持ち味を発揮できなかった。
ST36関戸:5,5:ボールを持てば存在感を見せるが、消える時間が多かった。
FW20川又:5,5:ポストプレイやドリブルで存在感。
途中交代
13石原:5,0:見せ場を作れず。
10チアゴ:6,0:精力的に走り、存在感のあるプレイを見せた。
11桑田:6,0:ポジショニングやパスで、存在感。
影山監督:5,5:13石原の投入したポジションは失敗だった。
京都側
GK1水谷:5,5:守備機会が少なかった。
CB20バヤリッツァ・4秋本:6,5:シュートを打たせないMFと連動した守備を見せた。
SB16福村:7,0:決勝ゴールを産んだヘッドを放った。
SB8安藤:6,5:積極的に攻撃参加し、厚みのある攻撃に繋げた。
DH15中山:6,0:攻守で球際の強さを見せた。
DH7チャンウヨン:6,5:守備では潰し役として、攻撃では、パサーとして存在感を見せた。
SH23中村:6,5:少ないタッチ数でのパス回しに貢献。
SH10工藤:7,0:しっかり詰めて決勝ゴールを決めた。
FW32サヌ:7,5:身体能力の高さを見せ、同点ゴールを決めた。
FW13宮吉:6,5:テクニックを活かした攻撃を仕掛けた。
途中交代
18倉貫・22駒井:5,5:印象に残らず。
11原:評価不可
大木監督:6,5:完成度の高いサッカーを展開させた。
審判(主審:大西、副審:越智・川崎):6,0:基本的に流し、攻守の切り替えの早い面白い試合を作った。
●MOM
「32サヌ」
ゴールのシーン以外も惜しいシーンがあった様に抜群の破壊力を見せた。
キープ力もあるし、スピードがあって、テクニックがあった。
だから32サヌが持つと怖かった。
今後得点しそうな予感がするに十分な活躍を見せたという事で、MOMにしました。
●MIP
「25田所」
25田所は、今季何度か中に入っていく動きを見せています。
そういった意味では、必然と言えるゴール。
今後もこういった形での得点というのは、増えて来ると思います。
それだけ、お手本とも言える良い動きでした。
難しい事は、していない基本に忠実なゴールを決めたという事で印象に残ったので、MIPにしました。
●次節希望スタメン
20川又
7キムミンキュン・36関戸
25田所・8千明・14仙石・2沢口
5植田・18竹田・3後藤
1中林
●次節希望リザーブ
GK:21真子
DF:22篠原・30一柳
MF:13石原・11桑田
FW:19中野・10チアゴ
●満足度
☆☆☆★★
シュート3本と圧倒されて負けた試合だったが、サッカーは、攻守の切り替えが両チーム早くて面白い試合だった。
岡山もこういった質の試合が出来る様になったと感じたと同時にまだまだ弱いという現実も知った。
今季は、やはり6位を目標に戦っていくのが現実的である様だ。
2位以上は、正直この試合で勝てない様だと厳しい。
以上より劣勢でもある程度自分達のサッカーが出来たという事で、☆三つの満足度。
岡山から世界へ
To Be Continued
by杉野雅昭
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