2012:CWC:準々決勝:蔚山現代VSモンテレイ「蔚山が一矢報いるもモンテレイがバルサの様な華麗なパスサッカーで、完勝」

蔚山VSモンテレイ:1-3
得点者:14ヘスス・コロナ、19セサル・デルカド、19セサル・デルカド、11イ・グノ

1、蔚山情報

キム・ホゴン監督

スタメン

9キム・シンウク、19ラフィーニャ
13キム・スンヨン、11イ・グノ
20ファン・エステヴァン・ベレス、8イ・ホ
14キム・ヨンサム、28キム・チゴン、5カク・テヒ、2イ・ヨン
1キム・ヨングォン

リザーブ

GK:18キム・スンギュ、31チョン・ホンスク
DF:3イ・ジェソン、22チェ・ボギョン、24リム・チャンウ、27カン・ジンウク
MF:7コン・チャンヒョン、15キム・ドンスク、17コ・ソルギ、21イ・スンヨル、25チェ・ジンス
FW:10マラニョン

途中交代

14キム・ヨンサム→3イ・ジェソン、13キム・スンヨン→7コン・チャンヒョン、9キム・シンウク→10マラニョン

 

2、モンテレイ情報

ビクトル・プセティック監督

スタメン

19セサル・デルカド、9アルド・デニグレス
18ネリ・カルドソ、14ヘスス・コロナ
11ビワルテル・アジョビ、2セベロ・メサ
5タルビン・チェベス、15ホセ・マリア・バサンダ、21ヒラム・ミエル、24セルヒオ・ペレス
1ホナタン・オロスコ

リザーブ

GK:12ヘスス・ダウト、23フアン・デ・ディオス・イバラ
DF:3ルイス・ロペス、4リカルド・オソリオ、6ミゲル・モラーレス、7エドガー・ソリス、20オスカル・ガルシア
MF:8ゲラルド・モレノ
FW:10キジェルモ・マドリガル、13アブラハム・カレノ、26ウンベルト・スアソ、59サルバドール・ハット

途中交代

14ヘスス・コロナ→13アブラハム・カレノ、19セサル・デルカド→7エドガー・ソリス、18ネリ・カルドソ→6ミゲル・モラーレス

3、戦評

モンテレイが華麗なるパスサッカーで、蔚山を圧倒した一戦だった。
ACLで無敗を誇った蔚山でも11イ・グノのゴール以外ほぼ何も出来なかった。
バルサを思わせる様なパスサッカーで、一つ一つのパスを見ても技術が高かった。
早い時間にモンテレイが先制した事が大きかった。
それでも守備の面で、モンテレイを捕まえ切れていなかった事を考えるとモンテレイの順当な勝利だった。

4、得点分析

モンテレイ:1得点目:14ヘスス・コロナ

細かいパス回しから。
18カルドソの楔型のパスを14コロナが、ダイレクトで、近くの19デルカドへ。
19デルカドは、シュートの動作からサイドへのスルーパスを入れて、そのスルーパスへ反応した9デニグレスがシュート動作。
しかし、それは、シュートではなく、逆サイドへのパスで、14コロナが、押し込んでゴール。
また、蔚山の選手は寄せも満足に行けず、ほぼボールウォッチャーになっていた。

素晴らしいパス回しからの得点だったと思います。

モンテレイ:2得点目:19セサル・デルカド

狭い所でのプレスを掻い潜ったパス回しから19デルカドが、短い縦パスを入れてスペースへ走り出す。
18カルドソが受けて、ヒールで、9デニグレスへ通す。
そこから9デニグレスが、シュートを打てる場面だったが最後ラストパスを出し、相手選手に当たったボールは、GKを超えて、フリーで、19デルカドへ渡る。
19デルカドが落ち着いて押し込んでゴール。

華麗なパス回しからの素晴らしい得点だったと思います。

モンテレイ:3得点目:19セサル・デルカド

前掛かりになっている蔚山に対して、正確なサイドへの長いグラウンダーの縦パスで11アジョビが、フリーで、受ける。
そこから11アジョビは、19デルカドへパスを出す。
19デルカドは、シュートフェイントで、5カク・テヒをかわして、GKとの1対1を冷静に決めてゴール。

パスの連動性だけではなく、高い個人技を見せてのゴール。

蔚山:1得点目:11イ・グノ

11イ・グノが、遠目から前にシュートコースがあると見るや積極的に狙う。
そのボールは、変化して、GK1オロコスが反応するも変化についていけず、決まってゴール。

スーパーゴールだと思います。
11イ・グノは、良い物もってますね。

5、レビュー(蔚山側)

Jリーグで、おなじみの選手を多数抱えたクラブ。
ACLでは、無敗だったが、世界の舞台だとここまで通用しないものか。
先制されたのが大きかったとはいえ、ほぼ何も出来ないままの敗退。
守備の時にボールウォッチャーになる事も多く、そういった意味で、守備が、全体的に甘かった。
あれだけ正確で、速いパス回しだとこうなってしまう。
こういった事にならないためにも今後改善していく必要がある。
アジアのレベルがまだまだ低くこれからだと感じた。

6、レビュー(モンテレイ側)

まるで、バルサを思わせる素晴らしいサッカーだった。
メキシコ代表のパスサッカーの基礎となっているだろう。
Jリーグは、ラストパスの精度という点で、大いに見習うべきだと思う。
Jリーグでもパスサッカーを掲げるチームもいるが、近年このレベルのチームは、あまり見れない。
そういった意味で、パスサッカーを志向するなら欧州を目指す前に今大会のモンテレイの様なパスサッカーを目指して欲しい。
創造性、連携、視野の広さ、基礎技術。
こういった基本的能力に優れており、サッカーは、身体能力では無く、こういった頭を使ったサッカーでもある程度いける。
そう感じた。
もしかすると、チェルシーに勝ってしまうのではないかと言う完成度を誇った。
次戦が、楽しみ。

7、評点

蔚山側

キム・ホゴン監督:5.5:すべき事はしたが、成す術がなかった。

GK1キム・ヨングォン:5.0:3失点喫した。
CB28キム・チゴン、5カク・テヒ:5.0:ボールウォッチャーになる事が多く捕まえ切れず3失点した。
SB14キム・ヨンサム、2イ・ヨン:5.5:前に行こうとしたが、なかなか上がれなかった。
DH20ファン・エステヴァン:5.5:中盤で潰しきれなかった。
DH8イ・ホ:5.5:仕掛けていくも止められる事が多かった。
SH13キム・スンヨン:5.5:スピードやセットプレイで持ち味を発揮した。
SH11イ・グノ:6.5:見事なミドルシュートを決めた。
FW9キム・シンウク:5.0:厳しいマークに合い仕事が出来なかった。
FW19ラフィーニャ:5.5:スピード活かしたプレイが光った。

途中交代

3イ・ジェソン:5.0:目立った働き出来ず。
7コン・チャンヒョン:5.0:見せ場を作れず。
10マラニョン:評価不可

モンテレイ側

ビクトル・プセティック監督:6.0:監督として指示中心だったが勝利に導いた。

GK1ホナタン・オロスコ:5.5:失点のシーンは、防いで欲しかった。
CB15ホセ・マリア・バサンダ、21ヒラム・ミエル:6.0:連動した守備と体を張った守備で、安定した守備を見せた。
SB5タルビン・チェベス、24セルヒオ・ペレス:6.0:攻守のバランスを上手く取った。
DH11ビワルテル・アジョビ:7.0:攻守で黒子ながら存在感のあるプレイを見せた。
DH2セベロ・メサ:7.0:的確なポジショニングと読みで、危険な芽を摘んだ。
SH18ネリ・カルドソ:6.5:高い技術と発想、連携で、非凡なものをみせた。
SH14ヘスス・コロナ:6.5:怪我した代役の選手だったが、ゴールで、しっかり仕事をした。
FW19セサル・デルカド:7.5:2ゴールの活躍を見せた。
FW9アルド・デニグレス:7.0:2アシストの活躍で、存在感を見せた。

途中交代

13アブラハム・カレノ、7エドガー・ソリス、6ミゲル・モラーレス:評価不可


審判:6.0:大きな誤審なく上手くゲームを作った。

8、MOM

MOM:19セサル・デルカド

2ゴールの活躍を見せた。
モンテレイの選手は、みんな凄かったが、FWとしてしっかり仕事をした事は、評価した。

9、満足度

8点(10点満点)

正直ここまで高いレベルのパスサッカーを見れるとは思ってなかった。
そういった意味では、非常に満足。

世界からさならる高みへ
To
Be Continued

by 杉野 雅昭


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