2017:CWC:5位決定戦:UAE:浦和レッズvsウィダード・カサブランカ「敗戦の悔しさとアジア王者の意地で5位の座を掴む」
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杉野雅昭
2017年12月27日 23:38 visibility382
浦和vsウィダード・カサブランカ:3-2
得点者:2マウリシオ(16青木 拓也)、11イスマイル・エルハダッド、10柏木 陽介(8ラファエル・シルバ)、2マウリシオ、37レダ・ハジュージ
1、チーム情報&評点
評価基準
良:1~5:悪
審判
主審:マット・コンジャー:2.5
副審:サイモン・ラウント、テビタ・マカシニ:2.5
第4審:ラフシャン・イルマトフ
浦和
監督
堀 孝史:2.5
スタメン
30興梠 慎三:2.5
8ラファエル・シルバ:2.5、10柏木 陽介:2.0、15長澤 和輝:2.5、9武藤 雄樹:2.5
16青木 拓也:2.5
5槙野 智章:2.5、22阿部 勇樹:2.5、2マウリシオ:1.5、46森脇 良太:2.5
1西川 周作:2.5
リザーブ
GK:23岩舘 直、25榎本 哲也
DF:4那須 大亮、3宇賀神 友弥
MF:7梅崎 司、18駒井 善成、38菊池 大介、39矢島 慎也
FW:13高木 俊幸、20李 忠成、21ズラタン
途中交代
8ラファエル・シルバ→7梅崎 司:3.0
7梅崎 司→21ズラタン:3.0
30興梠 慎三→38菊池 大介:評価不可
ウィダード・カサブランカ
監督
フセイン・アモッタ:2.5
スタメン
18ワリド・エルカルティ:2.5、9モハメド・アウラドユセフ:2.5
11イスマイル・エルハダッド:2.0、37レダ・ハジユージ:2.5
24ジャマル・アイトベンイディル:2.5、26アブデラディム・ハドゥルフ:2.5
8バドル・ガダリン:3.0、25モハメド・ウアタラ:3.0、13ユセフ・ラベフ:3.0、30モハメド・ナヒリ:3.0
12バドレディン・ベナシュール:3.0
リザーブ
GK:22ズハイル・ラアルビ、29ヤシヌ・エルハルビ
DF:5アミヌ・アトゥシ、31シェイク・イブラヒム・コマラ
MF:4サラヘディ・サイディ、19アミン・ティガズイ
FW:7モハメド・オウナジェム、10ギヨーム・ダホ、17アシュラフ・ベンシャルキ、27ザカリア・エルハシミ、28アブデラティフ・ヌシル
途中交代
26アブデラディム・ハドゥルフ→4サラヘディ・サイディ:3.0
9モハメド・アウラドユセフ→19アミン・ティガズイ:3.0
11イスマイル・エルハダッド→10ギヨーム・ダホ:3.0
2、得点経過
浦和:1-0:2マウリシオ(16青木 拓也)
経過
浦和の相手陣地深くのスローインから後ろに下げて、16青木 拓也が、真ん中に展開し、フリーで受けた2マウリシオが狙いすましてしっかりミートしたミドルシュートを放ちます。これが、12バドレディン・ベナシュールが飛びつきますが届かず右隅に決まって、浦和が先制。
コメント
やっぱり、この位置を開けてしまったらやられてしまう。2マウリシオのシュートも見事ですが、そこに寄せる様な守備体系を取りたかったところですが、スローインも深かったので、そういったバランスを取るのは難しかったかもしれません。
ウィダード・カサブランカ:1-1:11イスマイル・エルハダッド
経過
ウィダード・カサブランカの選手のドリブルをサイドで仕掛けられて、2人で対応するも突破されそうになり、たまらずファールで倒したというシーンから。そのFKを11イスマイル・エルハダッドが蹴りますが、合わせに行ったボールでしたが、誰も触れずこれが直接決まって、ウィダード・カサブランカが同点に追いつきます。
コメント
良くあるゴールパターンで、触らなくても直接入るボール。そういった素晴らしいセオリー通りのFKであったと思います。浦和としては、しっかりクリアしたかった所ですが、FKが良かったですね。
浦和:2-1:10柏木 陽介(8ラファエル・シルバ)
経過
46森脇 良太が、右際だから突っかけて、中にクロスを入れたシーン。9武藤 雄樹が流れる様なトラップからのパスを15長澤 和輝が受けると、近くの30興梠 慎三に繋ぎます。30興梠 慎三からトライアングル様にバックパスを9武藤 雄樹に戻して、そこからサイドの裏のスペースへスルーパスを出して、8ラファエル・シルバに通ります。8ラファエル・シルバが絶妙な1トラップからスピードに乗って裏へ抜け出すと、そこから逆サイドにクロスを入れます。この時、GKの12バドレディン・ベナシュールがシュートを警戒して飛び出していたので、逆サイドにフリーで、飛び込んで10柏木 陽介が、触って押し込むだけという状況を作り出して、10柏木 陽介が、実際に押し込んで、浦和が勝ち越しに成功します。
コメント
浦和の前監督の攻撃スタイルの長所であったパスによる崩し。そういった良さが出た得点シーンであったと思います。46森脇 良太の中へのパスからゴールまでの一連のトラップとパスの正確さと判断の速さ。そして、最後は8ラファエル・シルバのゴールに向かって行くスピード。こういった良さが出た浦和らしい良い得点であったと思います。
浦和:3-1:2マウリシオ
経過
浦和の10柏木 陽介のFK。浮いたボールを出すと見せかけて、手前の選手へのスルーパスに近いボールを蹴ります。30興梠 慎三が受けて、中へクロスを入れますが、誰にも合わず一度クリアされますが、不十分で、ペナルティエリア内で、再びフリーで、2マウリシオの下へと転がります。2マウリシオがしっかりコースを狙ったシュートを放ち、12バドレディン・ベナシュールが、ほぼ動けず。このゴールにより浦和が貴重な追加点を決めます。
コメント
意表を突いたサインプレー、もしくはトリックプレーとも言いましょうか、そういったプレーにより、ラインをゴール前に押し込んで事で、2マウリシオの前にスペースが出来た。これも流れ的に仕方ない部分もあるとはいえ、ペナルティエリア内で、あれだけ前にスペースを作ってはいけないと思います。こういったシーンが2度あったことを考えてもウィダード・カサブランカの守備バランスはあまりよくないと思います。
ウィダード・カサブランカ:3-2:37レダ・ハジユージ
経過
ウィダード・カサブランカのFKから毀れ球30興梠 慎三の下へ行きますが、クリアします。そして、このシーンからしばらく続きますが、その後ビデオ判定により、30興梠 慎三にボールが行った際に至近距離であったために手に当たってハンドでPKという判定か、もしくは、その前の所で、ポジション取りの中で倒した事によるファールという判定のどちらかが、恐らくビデオ判定により分かり、PKとなりました。
このPKを37レダ・ハジユージが左に蹴り、1西川 周作もよんでそちらに飛びますが触れず、これが決まって、ウィダード・カサブランカが1点差に迫ります。
コメント
流れが止まる事は、少し残念な感じこそしますが、汚いプレーが減ってくれば、サッカーもより良くなると思いますし、フェアプレーにより、良いゴールや素晴らしい守備がより、光っていくようになって欲しいです。
3、戦評
数値評
評価基準
良:A~E:悪
浦和
攻撃評価:B
守備評価:C
采配評価:B
総合評価:B
ウィダード・カサブランカ
攻撃評価:B
守備評価:D
采配評価:C
総合評価:C
文章評
寸評
レアルマドリードの対戦を熱望していた浦和は、開催国王者のアルジャジーラとの準々決勝で敗れた事により、5位決定戦に回ってしまいました。しかし、少しでも上の順位を目指して、絶対勝ちたい試合でした。そして、準々決勝では、勝ち進むことを想定した選手起用で、選手を温存していたので、この試合は、ベストメンバーで臨む形になりました。
対するウィダード・カサブランカは、大幅にメンバーを変えて、この試合に臨んだことで、1つでも上の順位というよりは、経験積んで、またこの大会に出るために新たな一歩も踏み出した。そういった感じで、この試合に臨んだと思います。
試合の方は、やはりベストメンバーを組んだ浦和が主導権を握って攻めていました。実際に先制点も浦和で、ウィダード・カサブランカの二軍に近いメンバーであったこともあり、組織力に欠いてところを巧く突いていました。浦和は一度こそ同点に追いつかれたもののすぐに勝ち越し、後半には追加点を奪う事にも成功しました。しかし、ウィダード・カサブランカも大陸王者という事もあり、終了間際にベストメンバーの浦和にから2得点目をPKで決めるなど、善戦していましたが、そのまま試合終了。
ベストメンバーを組まれていたら、もっと難しい試合になったと思いますが、この大会に出るチームは、どこも実力もあるチームで、何があってもおかしくない。そういった事を感じる壮絶な打ち合いで、面白い試合でした。
ウィダード・カサブランカ評
この試合をどういった形で、戦いに今後に繋げるか。そういった選手起用であったと思います。スタメンが大幅に変えた事の弊害か、少し守備時にゴール前に固まる傾向にあったように思います。自陣深くに集まっていることで、その手前のスペースが開く、ボール奪取に行けるラインが低かったことで、浦和のパスサッカーに揺さぶられてしまっていました。
一方で、やはり個が光る選手が、何人か居て、フィジカル的にも特徴のある選手もいました。巧くて強い。そういった持ち味を前の試合のメンバーと大幅に変えても発揮できている。そこは流石であったと思います。
特に11イスマイル・エルハダッドの存在感は、際立っていて、スピードに乗ったドリブルのキレ味は、見ていて惚れ惚れしました。
アフリカの大陸王者として、確かに足跡を残せた事は、確かで、次の出場機会があれば、強くなった姿を再びみたいです。
浦和評
ACLの決勝の2試合とCWCの2試合。この4試合をじっくり見た事で、浦和の長所と短所が少し見えてきました。ACLでは、8ラファエル・シルバがフィジカルの強さを発揮していました。今大会では、そういったシーンは、この試合のアシストのシーンぐらいでなかなか持ち味を発揮出来ていませんでした。逆に全体的にチームとしてのフィジカルの弱さばかり目立ち、ゴールを奪うという力強さに欠けた面は、否定できないと思います。
1対1での当たりへの強さや、置き去りにするスピード。こういったデュエルで勝つためには、局面局面での細部にまで、しっかり勝っていかないといけない。実際にこの試合では、ベストメンバーでなかったウィダード・カサブランカが、組織力と個の力を発揮できなかったことで、浦和が局面局面で、ある程度自由に出来て、浦和らしさが出たと思います。
逆に、開催国王者のアルジャジーラに負けた試合の様に、カウンター一発に沈められてしまう脆さが浦和にはありました。ある程度ボールを持てていても、個の力と、カウンターを狙う組織的戦い方が出来る強いチームには、なかなか勝つのが難しい。この試合で、躍動して3得点した浦和を見ているとそれを強く感じました。
来季に向けて、浦和が、そういった部分で、如何にタフになれるかどうか、そこが補強のポイントになりそうで、どれだけ改善できるか楽しみです。是非とも来季もACLを勝ち進んで、この大会に戻ってきて欲しいです。
試合評
Man Of the Match(MOM):2マウリシオ(浦和)
Most Impressive Player(MIP):11イスマイル・エルハダッド(ウィダード・カサブランカ)
満足度(10点満点):7点(★★★★☆)
Jリーグから世界へ
To Be Continued
by 杉野 雅昭(Masaaki Sugino)
記事の質の向上のために反対意見や間違いの指摘などのコメントも大いに歓迎ですので、気軽にコメント宜しくお願い致します。
また、イイネ数は、記事を書く意欲へと繋がる事に加えて、記事を書く上での参考とさせて頂いています。
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