FA補強を続ける事は長期的に見てペイするか?
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元大阪爺
2014年10月29日 21:53 visibility493
*以下,「プロ野球人事部」さんのホームページの給与欄で計算しています.私の巨人選手の総年俸の以前の集計と少し違いますが,他球団と基準をいっしょにしたいので「プロ野球人事部」さんのデータを使います.年俸ですから,契約金は含まないことに注意してください.
巨人の支配下選手の2014年の総年俸:46.7億円でセリーグ1位.去年オフに大補強をして話題になった,パリーグ1位のソフトバンクの38.0億円より8.7億円も多く,セリーグ2位の阪神の31.4億円より15億円も多いです.この46.7億円という数字は,大竹・片岡のFA契約金も含めると,過去5年では最高額で,従来の巨人の選手人件費の上限と思われる数字をすでに越えています.
阿部の6億円,杉内の5億円,内海の4億円,山口の3.2億円,村田の3億円と上位5人の合計が21.2億円で全体の45%を占め,この5人の金額が総年俸をつり上げています.なぜ,こうなったかというと,2011年オフにFAで杉内を獲得するため,4年20億という破格の数字を提示したため,「エースクラスは年俸5億円」という相場を自ら作ってしまったためです.そのため,2012年に2.2億円だった内海はFA取得年の2013年に4億円に,中継ぎエースの山口も3.2億円となりました.「エースクラスが5億円なら,4番打者でチームリーダーはそれ以上」ということになって,2012年まで4億円だった阿部は2013年には5.7億円に,2014年は6億円になり,「阿部の次」の村田は3億円になりました.困ったことに,杉内も内海も4年契約なので,今年10勝6敗防御率3.16の杉内に来年も5億円払わなくてはなりません.今年の内海は7勝9敗防御率3.17でしたが,来年も再来年も年俸は4億円です.4番でチームリーダーの阿部の年俸を杉内より下にはできない筈ですから,打率248で,19本塁打57打点の阿部に,来年も5億円以上払うことになります.彼らの貢献は認めるものの,明らかに「コストパフォーマンス」が悪いです.
杉内の「4年20億円補強」がなければ,内海の2012年までの年俸を考慮するとエースクラスは最大でも「年俸:3億円」程度に収まったと考えられ,上記5人の年俸を,合計5-6億円程度は節約できたでしょうし,その分を,たとえば,新たな外部補強に回せた筈です.
断っておきますが,2011年オフの杉内の補強を否定している訳ではありません.2010~2011年と優勝を逃した上に,2011年オフの一連のスキャンダルで2012年に巨人は絶対優勝しなくてはならなかったし,そのために,あの時点で絶対に必要なピースが杉内だったからです.しかし,この「年俸インフレ」をどこかで止めないと,巨人の財政は破綻する筈です.あるいは,本当に必要な経費にお金を回せなくなって弱体化するでしょう.FA補強はカンフル剤と
割り切って乱用を慎むべきと考えます.
*金子投手は,来年優勝するために,絶対に必要なピースでしょうか?
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