今季の巨人は「阿部に全部」なのか?その先にあるのは,「阿部依存」か「阿部脱却」か?

2012年の巨人は,常にも増して優勝する必要に迫られ,外部から杉内・村田を獲得し,阿部を中心としてチームをまとめて優勝・日本一となった.他方,長期的には阿部の後継として,村田・長野・坂本を想定し,「阿部・村田・長野・坂本」がチームの枢軸であると原監督は位置づけた.2012年の4人の「枢軸」の成績(打率/本塁打/打点)は以下の通り.
阿部(340/27/104),村田(252/12/58),長野(301/14/60),坂本(311/14/69)

2013年は,阿部に若干の衰えが見えたものの,村田が打ちまくって巨人は優勝した(日本一は逃す).長野・坂本は前年より成績を下げたものの,2012年の阿部一極から2013年は阿部・村田体制に移行するように見えた.2013年の「枢軸」の成績は以下の通り.
阿部(296/32/91),村田(316/25/87),長野(281/19/65),坂本(265/12/54)

2014年は,阿部が急激に衰えた上に村田も成績を下げてしまった.長野・坂本は前年より若干成績を上げたものの,チームの中心を託すにはほど遠い成績である.オールスター明けに長野を4番に据えてみたものの,長野はその期待に応えられず,結局阿部を4番に戻して巨人は何とかリーグ優勝をしたが,CSで阪神に惨敗した.2014年の「枢軸」の成績は以下の通り.
阿部(248/19/57),村田(256/21/68),長野(297/13/62),坂本(279/16/61)

阿部→阿部・村田まではうまくいったが,阿部・村田→長野・坂本はうまくいかず,結局,阿部・村田→阿部に戻したのが2014年だったし,それではCSすら突破できないことを示した2014年でもあった.

だから,原監督は上記の長期構想も「リセット」と呼んでいるのだと思う.上記の4人を枢軸とも言わなくなった.

それで2015年の巨人はどうするかというと,阿部の復活にすべてをかけているように私には見える.阿部の1塁完全コンバートを決意し,阿部が抜けた捕手陣が不安というのでFAで相川を獲得した.しかし,阿部が今年並の成績(1塁手としては不十分だが,捕手としてなら図抜けた成績)の時に捕手として使うという選択肢を放棄する方が私にはよほど不安である.小林や相川が2014年並みの成績(小林=255/2/14,相川=250/2/21)で,阿部も2014年度と同様の成績だったら阿部をベンチにおくのか?あるいは2軍に落とすのか?目前の勝利の確率を下げてまで,阿部を切ることができるのか?それができれば「阿部脱却」だが,できなければ「阿部依存」は続いて,相川を獲得したのは全くの無駄となる.もちろん,阿部が復活した場合はハッピーだが,それでも「阿部依存」は続くことになる.

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