「巨魁」より：　清武さんの誤算

原監督の「野球人」としてのプライドの高さを見抜けなかったことだと思います。

プロ野球選手や監督・コーチは、ほとんどが子供の頃からすべてを野球に捧げてきたので、野球について強烈な自信をもっているし、その分、野球をやったことのない人が口を挟むのを嫌う人が多いです。原さんにとって、清武さんはすでにその一線を越えていたのだと思います。

ナベツネさんは、原さんの2011年のシーズン終了報告を聞いて「原と清武は修復不能だ。」と判断したのでしょう。原さんは、新聞のインタビュー記事なんかでも「戦力が足りなくて負けた。」という趣旨の事を言っていましたし、ナベツネさんへのシーズン報告で「采配ミスはなかった」と言ったということは、「俺は悪くない。戦力を補強してくれなかった清武の責任が大きい」と主張したのでしょう。

清武さんは、そこまで原監督との関係が悪化していることに気づいていなかった節があります。米国流を学びすぎて、「GM＞監督」と思い込んでいたのかもしれません。日本ではむしろ「GM＜監督」なのにね。

清武さんは、「巨魁」の中で、ナベツネさんは「選手に対してリスペクトがない」ということを言っていますが、原監督が「清武は俺に対してリスペクトがない」と思っていたことに気づかなかったとすれば皮肉な事ですね。