トレード 巨人:小野(右投手,26歳)-広島:青木高(左投手,32歳)

すでに,黒鯉さんや茶柱さんが話題にしていますが,小野投手-青木投手のトレードが成立しました.黒鯉さんの日記のコメント欄にも書きましたが,広島は,前田投手・野村投手の故障離脱で先発陣が手薄になったので,先発型の小野投手を獲得しようとしたのでしょうし,巨人は,高木康投手が故障で左リリーフが若干手薄なので青木投手を獲得したのだと思います.まあ,たぶん,緊急性では広島の方が上でしょうから,広島側から申し込んで巨人が青木投手を見返りに要求したという所ではないでしょうか?


小野投手は,2009年のドラ5で,大卒ですが素材型の投手です.巨人は,大卒だが素材型の投手を取って育てるという1つの戦略をたてたみたいで,小野がその走りです.2010年は同じ戦略で小山をドラ4で取っています.小野は割と順調に成長してプロ2年目の2011年には一時は先発ローテーションに入り14試合(先発7試合)に投げてプロ初勝利を含む2勝(2敗)で防御率3.75でした.ドラフト下位の投手の2年目としては上々の成績で,そのままいけば巨人の先発ローテの5番手あたりに入っていたかもしれません.しかし,2011年オフに巨人が杉内・ホールトンを獲得し,宮國・小山・笠原の成長もあって小野の巨人での位置づけは一気に下がります.加えて,2012年オフには菅野を獲得したので,小野は先発9-10番手くらいになってしまいました.
 小野は140km/h代半ばの直球と,スライダー・カーブを持ち玉として緩急で勝負する投手ですが,制球が今一つで逆玉が多いです.まん中にも時々来るので,勝ちパターンのリリーフとしては恐くて使いにくいです.しかし,先発枠は補欠2番手くらいまでも含めて埋まっているというのが巨人の実情です.小野は,今年イースタンでは好調で5試合投げて3勝2敗で防御率2.32でしたが,当分出番は難しいと考えられます.それで広島が獲得を申し出たというのが,私には理解しやすいシナリオです.小野投手にとっては,間違いなく1軍でのチャンスが広がるトレードだと思います.巨人戦以外での小野投手の活躍を祈ります.

 他方,巨人の左リリーフですが,山口(30才)が健在で(9試合6ホールド,防御率1.59),一時不調だった高木京も調子が戻ってきました(9試合,2勝3ホールド,防御率3.24).高木康が故障で2軍落ちしているとはいえ,今村(19才)・松本竜(20才)・公文(21才)・岸(26才)・辻内(26才)・須永(28才)・阿南(29才)・高木康(31才)と支配下選手でも二軍に左腕は一杯います.ここに,1軍実績があるとはいえ,青木投手(32才)を入れる必要があるのかちょっと疑問です.確かに,上記の2軍メンバーの内,今村・公文・阿南を除くと,皆故障しているのでその点は不安といえば不安ですが・・.青木投手も二軍では好調で(8試合6回2/3投げて自責点1)すぐに使えるというのが利点ですが,上記のけが人が治ってきたとき,青木投手の居場所があるかどうかちょっと心配です.

 

 

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