今年の球は飛ぶのか(その3)ー何故この時期にNPBは告白したのか?ー

すでに,NPBが「今年の球は飛ぶ」ことを告白したので答えは出ているのですが,元々,交流戦が終わったら(その3)をやるつもりでしたので予定を少しくりあげて出しておきます.



 5月3日の(その2)の報告(約30試合経過時)の要点を書くと



 統一球導入より前(2010年以前)でも,本塁打率(ここでは,1試合1チームあたりの本塁打*)は0.1程度の変動はあったので,前年より0.2以上の変化がないと「ボールが飛ぶ」とは言えない.約30試合経過した時点で,セリーグで0.18,パリーグで0.14の増加ということ.また,明らかに増えているのは巨人・DeNA・ソフトバンク・楽天の4球団にとどまり,その4球団はの増加については「補強の効果」で説明する事も可能.それゆえ,「今年の球は飛ぶのか」についての結論は保留としていました.



 さて,昨日時点(交流戦終盤で60試合弱の試合経過時点)でどうなったかというと、セリーグは0.21の増加,パリーグは0.27の増加で共に0.2以上の増加となりました.また,チーム別にみても,セリーグで巨人・DeNAに加えて阪神が,パリーグでソフトバンク・楽天に加え,ロッテ・日ハム・オリックスが0.2以上の増加となりました.結局,統計的に見ても「今年の球は飛ぶ」と,ほぼ結論づけてよい状況になりました.

 ごく簡単に言えば,「交流戦で,パリーグの球団がセリーグの球団相手に本塁打を打ちまくったので,誰の目にもボールが飛ぶことが明らかになった.」ということです.

 したがって,NPBも「ボールが飛ぶ」ことを認めざるを得なくなったのでしょう.



 さて,NPBが「ボールが飛ぶ」ことを隠した理由は,昨年,基準の反発係数以下のボールが出回っていたことを認めたくなかったのでしょうね.ミズノとのなれ合いと言われても仕方のないことだと思います.

 なお,今季の本塁打率でも,統一球導入以前よりは小さいです.統一球導入前と統一球導入直後との数値の間に来るわけで,隠しさえしなければ,「ちょうどよい調整だ.」とNPBは賞賛された可能性が高いと思いますね.



参考

各チームの6/11時点での本塁打率と昨シーズンの本塁打率*



巨人,1.03,0.65

阪神,0.60,0.40

広島,0.52,0.53

ヤクルト,0.81,0.63

DeNA,0.90,0.46

中日,0.59,0.49



セリーグ平均,0.74,0.53







西武,0.53,0.54

ロッテ,0.70,0.44

ソフトバンク,0.84,0.49

楽天,0.78,0.36

日ハム,0.89,0.63

オリックス,0.82,0.51

パリーグ平均,0.76,0.49





*NHK等では,単に1試合あたりの本塁打(2チーム分)として「今年は1.5で昨年は1」という数字を出している.上記のリーグ平均の数値を足せば,NHK等の数値と一致する.

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