巨人がリーグ優勝を逃した理由を考える(その3):ラミレス(10/11,180335,7)

ラミレスの今シーズンの成績は144試合すべてに4番として出場して,打率.304,129打点,49本塁打で,打点王・本塁打王でした.この成績だけを見れば文句のつけようのない成績です.


 


これをセリーグの対戦チーム別の成績で見ます.


 


中日,打率.244,7本塁打,17打点


阪神,打率.245,5本塁打,20打点


ヤクルト,打率.309,9本塁打,20打点


広島,打率.363,12本塁打,29打点


横浜,打率.368,10本塁打,28打点


参考:ラミレスが各球団平均して打ったとしたときの期待値*


打率.304,8本塁打,21打点


 


*144試合中24試合がセリーグの各チームの対戦数ですから,上記の本塁打・打点に24/144=1/6を掛けたものが単純な「期待値」になります.


 


・中日・阪神の上位2チームに対して打てていないことがわかります.主に,広島・横浜の下位チームでラミレスは打っていました.


 


・さらにナゴヤドーム,甲子園での成績です.


ナゴド:打率.256,2本塁打,5打点


甲子園:打率.212,1本塁打,9打点


(期待値:打率.304,4本塁打,10打点)


 


*明かなように,ラミレスは,上位2チームの本拠であるナゴヤドーム,甲子園ではさらに打てませんでした.阪神ファンも中日ファンも(特に本拠で観戦したファンは),今年のラミレスは恐くないと感じていた筈です.昨年のラミレスは,特に終盤の中日戦で鬼のように打ちまくり,巨人に優勝をもたらしMVPとなりました.しかしながら,今年のラミレスは,上位2チームに対して(特に本拠で)打てず,巨人が両チームに遅れを取る大きな要因となりました.


 


・一昨年は打点王,昨年は首位打者に輝いたラミレスは,今年は本塁打王を取るとシーズン前から宣言していました.宣言通り,本塁打・打点王の両方を取ったのは見事ですが,バッティングが粗くなり,ナゴド・甲子園といった広い球場に対応できず上記のような結果になったと思えます.巨人打線はチーム全体として,東京ドームに特化しすぎていたことを以前の日記で述べていましたが,4番:ラミレスも東京ドームに特化した打者になってしまっていたのです.


 


*ラミレスもそのことはきちんと認識しているようで,CS(甲子園・ナゴド)では,「一発は捨てて,単打を狙う」という趣旨のことを言っているようです.その言葉に期待したいです.また,それが達成できれば,来季への希望も湧いてきます.


 


 

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