先発投手を外国人選手に頼って何故いけない?(76390,9)


順番が後先になりましたが、「巨人は先発投手を外国人選手に頼っているのでドラフトで補強が必要(だった)」という論調が結構あるようなのでそれについて勝手に反論します.上の表が現時点でわかっている巨人の来季の投手陣です.赤字は,新規契約あるいは育成で再契約した選手です.主力先発投手の中で外国人投手の比率が多いことは事実です.


 


現状では戦力補強手段としては下記の5つがあります.


1.ドラフト,2.トレード,3.FA選手,4.外国人選手,5.育成選手制度


 


つまり,ドラフトは,補強の1手段にしかすぎません.ドラフトだけに頼らず,5つの手段を有効に使って戦力を整備することが必要です.4の手法を用いて,せっかく先発投手が埋まっているのに,ドラフトを用いてわざわざ(他の弱点をさしおいて)埋める必要があるとは思えません.上記の理屈が通るなら,外国人選手で補強しているすべての部分で(投手も野手も),ドラフトで補強しなくてはならなくなり,外国人選手による補強は無駄ということになってしまいます.


「外国人選手は,一般に「統一契約書」で縛られないので中長期的にみた時にあてにできない.」という理屈なら一応理解できます.ところが,上記の主張をしている人の中には「だから,即戦力の投手が必要だ」と言っている人も多いので私には理解不能です.


中長期的な戦力の整備については,巨人は3年前から,育成選手も含めて有望な高卒相当の若手選手(投手・野手・捕手)をたくさんとって育てていて,オビスポもその一人です.だから,今シーズンの後半〜ポストシーズンでグライシンガーが抜けても,その穴を感じさせませんでした.それは来シーズン以降も同様でしょう.ゴンザレスにしても,他球団を解雇された投手を巨人で育成(再生)した訳ですから,通常イメージするところの外国人選手による補強とは違います.


 


さらに,もう一点.「先発投手の補強が優先」と言っている人は「リリーフは大丈夫」と思っている訳で,先発投手に比べてリリーフ投手の寿命が短いことを忘れています.今年のリリーフ陣は鉄壁でしたが,それは,越智・山口の超人的な活躍によるものです.この活躍が来年も再来年も続く保証はどこにもありません.また,クルーンは来年での引退を示唆しています.実際,原監督らの現場の要望も優先順位は先発ではなくリリーフ投手で,それゆえ今年のドラフトでは,大卒や社会人のリリーフタイプの投手(土本・小野・星野・大立等)を獲得したわけです.


 











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