社会人サッカープレーヤーにこそ練習ができる環境が必要な理由
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佐藤佳成
2022年01月17日 17:07 visibility2994
チームに所属していない選手、趣味としてサッカーを楽しんでいる愛好家、所属はしているがチームの活動は週末の試合のみという社会人プレーヤー。そんな社会人プレーヤー達にはサッカーをより楽しむために、練習ができる環境がもっともっと、もっと必要だ。
多くの社会人プレーヤー達には練習環境が圧倒的に足りていない。そりゃそうだ、家族がいる人は貴重な週末は家族サービスに充てられ、試合のために数時間家を空けるだけでも奥さんの目を気にしなければならない。独身の場合だってゴルフの誘いもあれば、合コン、デートなどで週末は忙しいだろう。いくら大好きなサッカーのためとは言え、社会人プレーヤー達にとって練習時間を捻出するのは簡単ではないのだ。
そのため、ほとんどの社会人プレーヤー達は週末の試合が唯一のサッカーの時間となる。平日の昼間や夜に個サルや個サカに参加し、個人のレベルアップに勤しむプレーヤーも中にはいるかもしれないが、それができるのは少数派のはずだ。
しかし、その中でどれだけ個人のスキルアップが期待できるだろうか。また、どれだけサッカーを楽しむことができるのだろうか。
「サッカーの試合は90分あるが1人がボールに触れている時間は2~3分、だからボールがないところの動きが重要だぞ!」
そんなことをコーチに口うるさく言われた記憶がある人もいるはずだ。きっとそれは間違っていない。実際、たまに週末の草サッカーに混ぜてもらった時なんかはボールが来なくてイライラしたり、守備のために必死でボールを追う時間がほとんど。大好きなドリブルを試せるチャンスは数回あれば良い方だ。(筆者の実力の問題については今回は触れないことにしましょう。)
やはり、サッカーはボールを触っている時が楽しいのだ。コントロールして、パスして、ドリブルして、時々シュートが決まる。うまくいかない時もあればいく時もある。そして、試合でうまくいかなかったことを練習し、それがだんだんできるようになり、今度はそれが試合の中で成功する。そんな瞬間の充実感と高揚感。これがサッカーの大きな楽しみではないだろうか。
だからサッカーをより楽しむために練習が絶対に必要になる。練習時間内にボールに触れている時間が一人当たり何分なのかと測ったことはないが、試合よりは圧倒的に多いのは確かだ。プレイングタイムが長いということはより多くの試行錯誤が可能になるということだ。社会人プレーヤー達はもう一度、練習したことができるようになるあの感覚を、あの楽しさと喜びを感じる必要がある。
週末に試合をして、その後皆で集まって飲むビールは最高に美味しい。そのためにプレーする気持ちも理解できる。(ああビール飲みたい。。)しかし、サッカーの本当の楽しさ、大人になってから感じるサッカーの喜びは自分の成長の中にあるのだ。それを実現できるのが、自分のサッカーと向き合える練習時間の中にある。
学生時代にはやらされていた練習も、大人になるととても貴重で1つ1つの練習が愛おしいとさえ感じるようになる。そんなふうに思うのは自分だけではないはずだ。そう信じている。
練習の意味を自分で考え、目的を持った上で行う大人の練習は、サッカーをさらに楽しむために必要なことが全て詰まっている。貴重な週末時間をサッカーに注ぐ社会人プレーヤーにこそ、今一度、トレーニングの中にあるサッカーの喜びを感じて欲しい。
▼筆者▼
佐藤佳成
ジュニアユース、ユース年代を川崎フロンターレアカデミーで過ごし、駒澤大学サッカー部での4年間を経てグルージャ盛岡に入団。その後、モンテネグロリーグ、タイリーグの7チームでプレーした後に引退。東南アジアを中心にサッカービジネスに携わり、現在は帰国。誰でもいつでもサッカーの練習ができる「TRAINING CLUB」というコミュニティを運営している。
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