我那覇選手の問題について、一般紙の記事から思うこと(※)

  • けん坊
    2007年12月14日 07:40 visibility122

まずは、今朝の朝日新聞の記事をそのまま引用させていただきます。

(以下引用)

CAS仲裁合意
我那覇とJ発表
J1川崎の元日本代表FW我那覇和樹(27)がドーピング規定違反の点滴治療を受けたとして処分された問題で、我那覇側とJリーグ側は13日、スポーツ仲裁裁判所(CAS=本部スイス)での仲裁を進めていくことに合意したと発表した。

食い違う解釈
基準知る機会
〈解説〉判断の場としては国際機関のCASこそふさわしい。我那覇側とJリーグ側の間で生じている07年の反ドーピング機関(WADA)の規定の解釈のずれは和訳の差異が生んだ可能性があるからだ。我那覇に点滴投与した川崎の元ドクター側が、「正当な静脈内注入は現場の医師に任せられるべきだ」と和訳し、正当な医療行為かどうかの判断は医師の裁量が大きいと解釈した部分。英語の原文では「任せたほうがいいだろう」などとも読め、「医師が何をやってもいいということではない」というのがJリーグ側の解釈だ。
我那覇が当初、JSAAでの申し立てを望んだのに対し、JリーグはCASでの仲裁を求めてきた。こうした原文の規定に基づいた判断ができるうえ、国際サッカー連盟(FIFA)も、「仲裁はCASに」と定めている。また、CASはドーピング違反に関する仲裁経験も豊富だ。「これがドーピング違反ではないのか。私も本当に知りたい 」とJリーグの羽生事務局長も言う。その機会がやってきた。(中小路徹)

(引用終わり)

ここで忘れてはならないのが、先日触れた「…Jリーグは5月に処分を出したが、8月になって全クラブに対し、医療行為を選手に施す際に必要とされた事前の許可申請を不要とする通達を出した。WADAの規定変更があったことを、ここで事実上認めた…」と、いう点です。
(ボクの日記より)
http://soccersns.jp/member/4243/diary/50279/

つまり、以後は今回と同様の措置が医師から選手に対して取られても問題は無くなっているわけです。
勿論、このことを直ちに我那覇選手に適用する事が難しいのは分かっています。後から出来た規定を適用するという事が無制限にできるのであれば、それこそルールなんて不要になってしまうからです。
(但し、諸事情を考慮した温情的措置というのがあるとするならば、こういった場面でこそ適用するものなのかも知れないとは思っています。運営者の能力や力量が問われる部分です。)

触れたいのは、最後のJリーグ事務局長の発言です。
「…私も知りたい」と、いうことは「未だに原文の解釈が定まっていない」と、いうことです。

そうであれば8月末の通達は、一体何を根拠に発せられたのかという疑問が湧いてきます。
なので、仲裁結果によっては、再度通達が変更される可能性があります。

もっともFIFAが「仲裁はCASにと定めている」というのは知りませんでした。

Jリーグがどの程度、FIFAに従属しているのか分かりませんが、もし仲裁に関してFIFAの規定に準ずるとなっているのであれば、今回の事(Jリーグが仲裁機関にCASを選んだこと)は適当な措置だったということになるとともに、Jリーグに関してはJSAAは無力ということになります。

我那覇選手の問題は、一選手・一クラブの問題ではないと思います。
Jリーグの組織としての健全性が問われているのではないかと思います。

今後も行方を見守りたいと思います。

※しばらくは、我那覇選手の件に関してのみ「日記」を書くことにしています。

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