プレーヤーの命を守る

 






























 






























 




ボルトンのMFファブリス・ムアンバがピッチ上で心臓発作を起こして突然倒れてから25日が経ちました。

 

 

3月17日FAカップ準々決勝トッテナム・ホットスパーとの一戦はテレビで生中継されていましたが、ムアンバ選手が倒れてすぐに駆けつけたメディカルスタッフが、ピッチ内で10分間の心肺蘇生処置を施し、病院へ救急搬送されました。




 






























 

 

 

試合中止を知らせるまでの間、選手もスタジアムにいた誰もが目の前で起きた出来事を受け止められずにおり、スタジアム内にムアンバ選手へのチャントが響いていました。

 



http://youtu.be/YVurkcvZYe0

 

 

 

 

目に涙を浮かべ、ショックを隠しきれない選手たちや試合関係者の沈痛な面持ちを見て、この時ばかりは最悪のケースを覚悟した人が多かったに違いありません。

 

 

病院に運ばれたムアンバ選手は、除細動器で15回ショックを与えても心音が戻らず、78分もの間、心肺停止状態に陥っていました。

 

 

ムアンバ選手は奇跡的に一命を取り留め、オーウェン・コイル監督と手短ながら会話を買わせるまでに回復しており、医師たちも「奇跡だ!」と声を上げているとのこと。現在は、集中治療室でプレー復帰を目指し、継続治療に取り組んでいるようです。

 

 

 

ムアンバ選手と2月14日に婚約したばかりのシャウナさんが、30日には快方に向かっているムアンバ選手の様子をツイッターで明かしています。

 

 

シャウナさんは、病室で微笑むムアンバ選手の写真とともに「ファブは、写真をみんなに公開するとともに、厚いサポートに対し、ありがとうと言うことを望んでいるの」というメッセージを投稿、ムアンバ選手の元気な姿を明かし、世界中からの支援に感謝を表している。

 






























 

スタジアムに待機していた救急救命士やメディカルチームらの敏速な対応、そして搬送先の病院スタッフの絶え間ないケアの甲斐あって、ムアンバ選手は命を繋ぎとめている。




 

また、ムアンバ選手へのメッセージ入りTシャツを着たレアル・マドリーのクリスティアーノ・ロナウド、「フィオレンティーナ戦の5ゴールをムアンバに捧げる」と語ったユヴェントスのアンドレア・ピルロ、アーセナルとボルトンでチームメイトだったジャック・ウィルシャーらを筆頭に、世界中からムアンバに対する激励メッセージが寄せられ、ボルトンのスタジアム前は早期回復の願いを込めたカードやマフラー、花束などで埋め尽くされています。

 






























 

 

 

だが、なぜ若くしてプロフェッショナルな選手が心臓発作で突倒する事態が起きてしまうのか?

 

 

今回の一件によって、イングランドではメディカルチェックに対する議論が新たに持ち上がり、イングランド協会のビーズリー医療部長が、
『最低でも1年に1回の心電図検査の義務化』と
『全五輪代表選手にも心電図検査の実施』を決定したそうです。

 

 

心疾患の検査に関しては、以前からイングランドサッカー協会の助成金によって16~17歳まで心電図やエコー検査が行われていました。だが、その後の検査についてはクラブや本人の意思に任されており、現時点では義務化されていないのが実情でした。

 

 

17歳以降に検査した方が心疾患の兆候を発見しやすいという説もあり、遺伝子に起因する心疾患の場合は、検査した際は異常なしでも3年後には分からないと言われます。




 

ムアンバ選手は2008年にボルトンへ入団してから、定期的に検査を受けていたにも関わらず、彼の心臓発作を疑わせる素因は検知できていなかったのでしょう。

 

 

強度の身体的・感情的ストレス下で心臓発作を引き起こす先天的遺伝子を持つ人も中にはおり、ムアンバ選手もその体質である可能性が考えられます。

 

 

問題はメディカルチェックの課題だけではなく、ショックを受けたボルトンとトッテナム両チームの選手たちが抱えたPTSD(心的トラウマ)への対処も非常に重要となってきます。精神面のバランスを崩した選手たちが立ち直るには、家族やチームメイト、指揮官そして専門家らが手を取り合い、心のケアに取り組んでいく必要性があると思います。

 






























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