猫背が気になる

道路を挟んだ向かいで
煙草を吸う二人組に

『そんなところで吸うな』と

怒りを感じて

苛立っていることを自覚した


4月にしては寒い午後
予定のない日曜に

独り

時間をもて余す


別にいつもと何が変わる訳でない


だからこそ苛立っているのだと
言われればそうだと認めるだろう




右半身の感覚が鈍い
頭から爪先まで

縦に線を引いたようにきれいに
左右の感覚にずれがある


こんな風に少しずつ
駄目になっていくのだと


頭の中だけで

もう何度目か分からない
感想をつぶやく


口に出す独り言は
もっと直接的で支離滅裂だが


数年前に比べれば随分とましになった



公園で遊ぶ子供
一緒にボールを投げる父親
ベンチに座る母親

すれ違う同年代の男
視界を横切る若い女

喫煙所で煙草を吸う中年の女
コンビニでレジを打つ疲れた男


あなたたちに幸せが
ありますように


『私には無理だから』




酔いながら


本当は自分の幸せこそを



強く願っていることに
何も諦められないことに

『もう駄目かもしれない』と

思いながら



すがり付いている



たとえば


たとえば



本当に諦めてしまったら


私はもう



胸を張って歩かない