青雲の梯
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まこと@古希ジョッパークライマー
2019年02月13日 06:52 visibility97
”青雲の梯” 高任和夫著 講談社
経済小説が得意な筆者ではあるが
本著のような時代小説も書いているようだ。
江戸中期、格式が優先される幕臣のなかで、
下級武士上がりの田沼意次が改革を成し遂げようとする苦悩は
既得権益者がはびこる現代に通じるものがあると言える。
農民からの税に頼らず、貨幣経済を整え、外国からの収入も得て
幕府の財政を大幅に改善した。
賄賂を取った意次と言われていたが、最近は見直されているようだ。
意次の悪い話は後の幕臣たちによる可能性が大かな。
一方で松平定信の方は辛口に描いている。
意次と対比されるように定信は厳しすぎる面が欠点。
飢饉対策、厳しい倹約令などでそれなりの成果は得たが
林子平を処罰したり、蝦夷地を放置したりで
結局短期間で老中職を解かれたのは止むを得ないだろう。
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