かわうその祭り

”かわうその祭り”  出久根達郎著  朝日新聞社
筆者の作品は初読み。
娯楽の文庫本が500円で売られているのに、
 素晴らしい著者の古本は100円にしかならない現代を憂えて、
  「古本だって凄いんだぞ」という思いを込めて作った作品のようだ。 
物語では、ひょんなことから手にいれた映画フィルムを調べたら、
 戦時中の闇に葬られた事件が出てきたという話。
満州国の局地的な政治話、昭和の日本の空気感、その時代を生きた人の価値観が知れる。
 タイトルの”かわうその祭り”は、漢字で書くと”獺祭”になる。
  かわうそは獲物の魚を並べてから食べる習性があるようで
 そのことからコレクターが収集物を並べて悦に入ったり、
  小説家が書斎に多くの本を並べてみたりすることを指すようになったらしい。
 勿論、日本酒の銘柄としても有名なのは言うまでもないだろう。
 

 

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