逆境の中でも前を向く42歳伊達。 「がむしゃらにボールにくらいつく」

  • 2012年09月30日 18:04 visibility95


東レPPOでは初戦敗退となってしまったクルム伊達

 
 9月28日に42歳になるクルム伊達公子は、現役再チャレンジを始めてからかつてないほどの試練に立たされている。

 今シーズン彼女を悩ませ続けていた左ふくらはぎの肉離れからは解放されたものの、ワールドツアーでの勝ち星は、今年3月のWTAインディアンウエルズ大会以来、挙げられないでいる。

 WTAランキングも下降線をたどり、秋のアジアツアー・第2戦となる東レ パン・パシフィック・オープン(以下東レPPO)に出場する時点で108位(9月24日付け)にまで落ちていた。

「ヨーロッパシーズンでは、ケガによって結果を出せず苦しんだけれど、ウインブルドン後、トレーニングに取り組み、今やっとケガの心配をすることなく、テニスができている。テニスと体がかみ合うところまで来ていないとはいえ、ケガをしないで過ごせているのは、今の私には大事。(東レPPOのような)大きな大会できっかけをつかむのは、なかなか難しいが、相手が誰であれ、自分の調子がどうであれ、がむしゃらにボールにくらいつく気持ちで挑みたい」

 大会直前にこう語っていたクルム伊達の1回戦の対戦相手は、第9シードのマリオン・バルトリ(10位/フランス)。過去に3回対戦しているが、一度も勝ったことがない。

 第1セットで、クルム伊達は、第2ゲーム40-0からサーブをブレークされたり、第3ゲーム30-40のブレークポイントを取ることができなかったりと、ゲームを左右するような大事な場面でミスをして、1-6で落とした。

「公子が最後まであきらめないことは知っていたし、第2セットで巻き返してくることはわかっていた」とバルトリが振り返ったように、クルム伊達は、ロングラリーに持ち込みながらドロップショットを決め、また、ネットプレイも入れて相手のミスを誘い、第2セット第6ゲームでは、バルトリのサーブをブレークする意地を見せた。


 だが、今のクルム伊達は、良いリズムを持続できず、第2セットも4-6で落としてランキングどおりの結果となった。それでもバルトリは、クルム伊達に最大級の賛辞を贈った。

「ランキングと実際の勝負との関連はあまりないと思う。27歳の私と競りあう試合をする公子のフィットネスは41歳とは思えないぐらい驚くべきものでした」

 WTAソウル大会に続いて、母国の大会でも初戦敗退を喫したクルム伊達は、まだまだ上昇気流をつかめずにいる。

「いい状態ではないし、負けることは楽しいことではない。ましてや年齢を重ね、年々(自分より若い選手と)対等に立ち向かうのが難しくなってきているのは間違いない」

 それでも、09年から再び世界を舞台にして戦い、毎年レベルアップしているツアーの激しい競争の中で、トップレベルの選手と対峙しながらクルム伊達も進化を遂げてきた。

「5年前に再チャレンジを始めてから、私のボールに対する相手の慣れもあると思う。(クルム伊達対策を)いろいろやって来るので、簡単ではないことは痛感している」

「自分の中でいろいろ考えながら、もちろん勝つことへの気持ちは失っていない。ただ、勝てない中で、何が必要なのか、どういうプレイをしないといけないのか、どういうことを取り組んでいかないといけないのか、日々考えている」

 5年目となる現役再チャレンジ。今後、北京と大阪の大会にエントリーをしているクルム伊達。このまま結果の出ない状況をどのように打開していくのか。シーズン終盤に、上昇気流をつかめるのか。

「結果がついてくれば、もちろん嬉しいことだけど、そうじゃなくても、とりあえず、継続してやっていくしかないという気持ちでいる」

 これまでも逆境の中で、最後まであきらめない姿勢を貫いてきたクルム伊達は、笑顔を見せ、今も決して下を向いていない。


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