F栗山シーズン全体の戦い方

  • 2012年09月30日 18:02 visibility60
ミスの場面では「サインを出した俺が悪い」「終盤に上位にいられるように」という考えでやってこられて、その結果1位で終盤を迎えたわけですから、成功していると思います。ただ、そのために増井(浩俊/68試合)や宮西(尚生/62試合)をかなり登板させたので、この時期に疲れが出てきました。彼らが打たれる場面も出てきましたが、栗山さんは「悪いな。100パーセントの力を発揮させられなくて申し訳ない」と声をかけているそうです。

――初めての監督として、終盤にきて疲れは見えますか?

 疲れもストレスもピークだと思います。僕らと話すときは笑顔ですが、「体は相当しんどい」と言っていました。
 作戦面の話だと「エンドランや送りバント、スクイズは外で見ているよりも決まらないんだ」と話していました。解説席から見ていると、ヒットエンドランでベースカバーに野手が入るから打球が外野に抜けるとか、相手がチャージをかけてこない側に送りバントを決めるということがサインを出せばできるように見える、と。それが実際にはいろんなプレッシャーもあって成功率が低くなる。そのギャップを体感しながらシーズンを戦ってきたと言っていました。
 そこで選手に「エンドランを決めろ、バントを決めろ」と言うのは簡単ですが、栗山さんは「難しい場面で、その選手に合わないサインを出した俺が悪い」というスタンスで、絶対に選手のせいにしません。
 その結果、選手が「監督を胴上げしよう」となっています。栗山さんの戦い方や選手起用を選手が理解できたから、1年目にしてチームに一体感ができています。
 また、西川(遥輝)や杉谷(拳士)、中島(卓也)ら若手を育てつつ、優勝争いができていることも素晴らしいと思います。
■シーズン終盤の戦いで“非情”になれるか!?――去年からコーチ陣を変えませんでしたが、連携はとれていますか?

 普通は新監督になると何人か連れてくるものですが、コーチ陣を変えないというのは、派閥や慣習にとらわれない栗山さんらしいな、と思います。
 若い監督はどんどん動いて、教えたくなるものですが、そこで各コーチに任せているのでコーチもやりやすいはずです。もっと選手と近い距離で話すかと思っていましたが、選手にはポイントでフォローを入れるだけで、練習中はあまり話さずコーチに任せています。「監督は責任だけ取ればいいから」と話していましたが、なかなかできることではありません。

――優勝争い、CSなどの短期決戦に向けて課題は?

 栗山さんの優しさが課題になり得ると思います。21日の西武戦では吉川を引っ張って逆転されました。増井が打たれた次の試合にリベンジさせるために投げさせたこともありました。選手のプライドを大事にして戦ってきましたが、短期決戦では見極めが大事になります。
 僕は現役時代は日本シリーズで使ってもらって良い成績を残せました(通算打率3割9分7厘、98年に敢闘賞)。しかし、シーズンでレギュラーをつかみ切れなかった僕が、日本シリーズに出るということは、それまで頑張ってきたレギュラーが試合に出られなくなるということなんです。当時の西武はそこで状態を見極めて、選手を起用していました。短期決戦ではそうした判断が必要になります。
 そういう意味で、栗山さんが状態の悪い選手に対して非情になれるか? 栗山監督としての新しい一面を見せられるかが今後のポイントになる

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